小児感染症科医のお勉強ノート

小児感染症を専門に診療しています。論文や病気のまとめを紹介します。

2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

妊婦の新型コロナスクリーニング検査

" data-en-clipboard="true"> COVID-19の流行の拡大により、院内クラスターの報告が相次いでいます。入院時スクリーニング検査で陰性だったのに、入院後発症した例もあります(病気と検査の特性を考えれば、発生して当然ですが…)。 " data-en-clipboard="tr…

虫垂炎が穿孔した時の抗菌薬は?

" data-en-clipboard="true"> 虫垂炎穿孔による腹膜炎は、適切な抗菌薬投与と迅速な手術・ドレナージ(最近は保存的に頑張ることも多いが)が必要な病態です。抗菌薬に関しては、広域抗菌薬が選択されやすいですが、緑膿菌までカバーが必要かを検討した研究…

バンコマイシンヘテロ耐性は治療失敗を増やすかも

" data-en-clipboard="true"> 連続でバンコマイシンヘテロ耐性の話題です。St. Jude病院で白血病患者のコアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CoNS)によるカテーテル関連血流感染症を対象にした研究です。 " data-en-clipboard="true"> ヘテロ耐性がある株(すべてが…

バンコマイシン感受性株の治療失敗はヘテロ耐性を考慮

Gram陽性ブドウ球菌は、黄色ブドウ球菌とコアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CNS)からなります。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(いわゆるMRSA)は40%程度、メチシリン耐性CNS(MRCNS)は70−80%程度の頻度で国内では見られます。 バンコマイシンの最小発育阻止濃度…

化膿性頸部リンパ節炎と川崎病を見分ける

" data-en-clipboard="true"> " data-en-clipboard="true"> 川崎病は、小児に多い血管炎症候群です。発熱、発疹、口唇変化、手掌足底の変化、眼球結膜充血、頸部リンパ節腫脹が特徴的な疾患です。すべてが揃えば、診断は容易ですが、そうでない症例も多いで…

非免疫性胎児水腫の原因(感染症)

非免疫性胎児水腫は、胎児に腹水・胸水・心嚢水などが出現する病態です。血液型のRh不一致が原因で起きるものは、免疫性胎児水腫ですが、それ以外は、非免疫性胎児水腫として、様々な原因があります(心疾患、双胎、代謝疾患など)。 一部は、感染症が原因で…

小児のElizabethkingia感染症

Elizabethekingiaは、環境中に存在する多剤耐性Gram陰性桿菌(GNR)で、メロペネム耐性として有名です。かなりまれな菌ですが、「GNRだからメロペネムで大丈夫」って思っていると足元を救われます。キノロンが有効であることが多い菌です。 変わった名前です…

新生児ヘルペスを疑ったらどの検体を取るか

" data-en-clipboard="true">新生児ヘルペスは、小児科で経験するまれですが最重症の感染症の一つです。 " data-en-clipboard="true">とりあえず疑ったらアシクロビルを始めて、PCR陰性ならアシクロビルを中止しますが、その際に、どの検体を採取しておくと…

新型コロナワクチンでアレルギー PEGって何だ?!

日本でも、新型コロナウイルスに対するワクチン接種が2月下旬頃から開始されます。そのため、ワクチンに関する質問も頂く機会が増えてきました。 ・新型コロナウイルスワクチンの特徴(一般の方向け) まず、各ワクチンの特徴に関しては、一般の方は、こち…

足の謎の発疹

" data-en-clipboard="true"> ちょうど12年くらい前の寒い季節に、都内の大学病院で、小児科当直をしていると、救急隊から「足の裏と指に、発赤と痛みが急に出現した子がいるので、診察して欲しい」と、要請がありました。 全く鑑別診断が分からず、救急車が…

サルモネラ菌血症199例のまとめ(from台灣)

" data-en-clipboard="true"> サルモネラ菌による感染症は、腸炎を起こすことが多いですが、時に菌血症になります。サルモネラ菌血症は、小児ではそこそこレアだと思っていましたが、台湾から199例の菌血症の圧巻のケースシリーズです。 " data-en-clipboard…

子供だって新型コロナ後遺症は起こりうる

新型コロナウイルスの患者さんが増加するにつれて、後遺症の報告が増えてきています。Long COVIDといわれ、一部の報告には、2割の患者さんが後遺症を経験するという報告もあります。症状は多彩で、倦怠感、呼吸苦、関節痛、脱毛などなどです。 (忽那先生が…

NICUでのカンジダ血症のリスク因子

" data-en-clipboard="true"> カンジダ血症は、重症者や免疫不全者に発症する事が多い感染症で、治療が難しく困難なことがあります。成人でのリスクは、中心静脈カテーテルの使用、完全静脈栄養、広域抗菌薬、APACHEスコア高値、急性腎不全、外科手術(特に…

小児感染症を勉強するための本

小児感染症を勉強する上でのおすすめの本の紹介です。 レジデントのための感染症診療マニュアル小児でも成人でも、感染症診療の原則は、変わりないと思っています。患者さんの背景、感染臓器、起炎菌をしっかり捉えることが、感染症診療の原則です。日本の臨…

学校・幼稚園をCOVID-19流行中に閉鎖しないで良いのか?

" data-en-clipboard="true"> 本日、2度目の緊急事態宣言が発出されます。今回は、学校や幼稚園・保育園の休校・休園は求めないとのことです。共働きの家庭にとっては、本当に助かります。一方で、子供を登校させることが危険では無いか、子供が流行を広げる…

カテ感染にエタノールロックは効くか?

小児科では、短腸症候群などで長期に中心静脈カテーテルを留置している患者さんがいます。管理で一番頭を悩ませるのが、カテーテル感染です。カテーテルにくっついた微生物の治療はなかなか厄介です。カテーテルを抜去できるのが一番ですが、使える中心静脈…

末梢からのアミノ酸製剤の投与はBacillusのカテーテル関連血流感染症のリスク

" data-en-clipboard="true"> 絶食や低栄養の患者さんに対して、末梢静脈カテーテルからアミノ酸製剤(ビーフリードなど)が投与されることがあります。しかし、末梢静脈カテーテルからのアミノ酸では、異化を防ぐほどの量のアミノ酸を投与できません。また…

STIと関係のない外陰部潰瘍を診た時

外陰部潰瘍は、単純ヘルペスウイルス(HSV-1,2)が原因として有名です。他に性感染症(STI)として、外陰部潰瘍を生じる感染症は、梅毒、クラミジア・トラコマチス、Haemophilus ducreyi, Klebsiella granulomatisなどが知られています。 一方で、STIと関連の…