小児感染症科医のお勉強ノート

小児感染症を専門に診療しています。論文や病気のまとめを紹介します。

2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

小児の下気道感染症(肺炎を除く)に抗菌薬投与の意義は無い

小児の下気道感染症に抗菌薬を出すのかは、小児科医の永遠(?)のテーマです。「抗菌薬を出さずに治る子も多いけど、そのまま肺炎で入院になる子もいるよ」というのが実感なのですが、そもそも抗菌薬を出せば肺炎で入院になる子が減るのか?ということが重…

小児のRSウイルス感染症の予防にニルセビマブが有効

" data-en-clipboard="true"> 小児において、RSウイルス感染症は厄介な病気です。多くの子は感染すると、発熱、咳、喘鳴(ゼイゼイ)、鼻汁などの症状が見られますが、時に呼吸不全になったり、脳症や脳炎、無呼吸発作などを起こすことがあります。 " data-e…

小児の口囲皮膚炎にカルシニューリン阻害薬

" data-en-clipboard="true"> 口囲皮膚炎という、口の周りを中心に皮膚炎を起こす病気があります(写真)。成人の女性に多い病気です。はっきりした原因は分かりませんが、ステロイド軟膏を塗ることなどが関係しているという報告もあります。 " data-en-clip…

抗菌薬に整腸剤を併用する意義は?

" data-en-clipboard="true"> 抗菌薬の副作用として、抗菌薬関連下痢症(antibiotics associated diarrhea: AAD)は、よく起きます。抗菌薬により腸管内の正常細菌叢が乱されて起きると考えられており、整腸剤は一定の役割を果たすのでは無いかと考えられてき…

マクロアミラーゼって何?

" data-en-clipboard="true"> 先日、詳細は省きますが、アミラーゼ高値と免疫グロブリン高値で紹介された患者さんがいました。いろいろと原因を検索したのですが、最終的には、「マクロアミラーゼ」と考えられました。 マクロアミラーゼという病態を知らなか…