小児感染症科医のお勉強ノート

小児感染症を専門に診療しています。論文や病気のまとめを紹介します。

2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

子宮留膿腫は小児では非常に稀な疾患

" data-en-clipboard="true"> 子宮留膿腫は、高齢女性や産褥婦で時々経験したことがあります。小児では、非常に稀な疾患ですが、それには、血中エストロゲン値も関連するそうです。 " data-en-clipboard="true"> 実は、小児の症例報告は英文では10例ちょっと…

GBSをワクチンで予防する時代がもうすぐ

" data-en-clipboard="true"> B群溶血性連鎖球菌(GBS)は、新生児に菌血症や髄膜炎を起こす菌です。新生児が出生の時に母が保菌するGBSを保菌してしまうと、GBS感染症を発症することがあるので、最近では、保菌している母親に対して、出産時に抗菌薬投与する…

Pott's puffy tumor:稀だけど知っておきたい副鼻腔炎の合併症

Pott's puffy tumorは、見た目が印象的な疾患です。↓こちらに成人の症例報告があります。 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkotokeibu/125/5/125_892/_pdf/-char/ja " data-en-clipboard="true"> 多くは、副鼻腔炎が進行して、前頭骨が骨髄炎にな…

キノロン予防投与中の緑膿菌菌血症にはメロペン耐性が多い

" data-en-clipboard="true"> 成人領域では、白血病で骨髄抑制中や造血幹細胞移植後の患者に対してキノロンの予防投与を行うことが比較的よくあります。小児ではキノロンは基本的に禁忌ですが、海外の文献では小児への予防投与もよく見かけます。 緑膿菌は、…

小児の急性副鼻腔炎の初期治療薬はアモキシシリンで十分

" data-en-clipboard="true"> 小児科外来をしていると、アモキシシリン(商品名:ワイドシリン、サワシリンなど)は、最も重要な抗菌薬です。それは、中耳炎、肺炎、咽頭炎(溶連菌)などの気道感染症の第一選択薬になるからです。 " data-en-clipboard="tru…

シナジスを全小児に接種したら?

" data-en-clipboard="true"> パリビズマブ(シナジス)は、RSウイルスに対するモノクローナル抗体製剤で、RSV感染症の予防になります。高価な薬剤であること、1ヶ月に1回の接種が必要なことから、対象は早産児や心臓や肺疾患を有する小児に限られます。 " d…

未熟児にとってプロバイオティクスは善か悪か?

腸内環境を整えることが、最近(?)話題です。ヨーグルトや乳酸菌飲料など色々なものにプロバイオティクスが含まれ、健康に良いと言われています。私も、下痢の子に、色々なプロバイオティクス製剤を処方しますが、その効果はすごくあるとは言いませんが、…

小児のカンジダ血症、施設により追加する検査はまちまち

" data-en-clipboard="true"> カンジダ血症は、治療が大変な疾患の一つです。もともとの基礎疾患が重篤な患者さんに起きやすい(血液腫瘍、短腸症候群、先天性心疾患など)です。かつ、全身臓器にカンジダが播種して、眼内炎や肝膿瘍・脾膿瘍を形成したりし…

デング熱の皮疹はislands in a sea of red

デング熱の回復期の皮疹 有名なんだけど、NEJMに載るほどかな…。 症例 23歳の女性。前日から、そう痒感を伴う発疹が出現し、救急外来を受診した。5日前、発熱、悪寒、筋肉痛、嘔気、食欲不振、後眼窩頭痛が認められた。症状は4日間続き、来院前には軽快した…

新型コロナ感染と小児1型糖尿病(膵島抗体陽性)は関連している

" data-en-clipboard="true"> 新型コロナウイルス感染は、その後、SLEなど色々な自己免疫疾患を発症するリスクを高くするという論文が増えています。感染後に、抗核抗体の陽性率が上昇するという論文もあります。 " data-en-clipboard="true"> pubmed.ncbi.n…