小児感染症科医のお勉強ノート

小児感染症を専門に診療しています。論文や病気のまとめを紹介します。

デング熱の皮疹はislands in a sea of red

デング熱の回復期の皮疹

有名なんだけど、NEJMに載るほどかな…。

 

症例

23歳の女性。前日から、そう痒感を伴う発疹が出現し、救急外来を受診した。5日前、発熱、悪寒、筋肉痛、嘔気、食欲不振、後眼窩頭痛が認められた。症状は4日間続き、来院前には軽快した。バイタルサインは正常。身体所見では、上肢、下肢、体幹に散在する皮疹を認めた。皮疹は、圧迫で消失しない斑状丘疹・紅斑性発疹であった。正常皮膚を取り囲むような分布をしていた。手掌と足底に皮疹は認めなかった。皮下出血や点状出血はなかった。血液検査では、リンパ球減少を伴う白血球減少を認めた、血小板数は正常であった。デングNS-1抗原迅速検査とデングIgMが陽性であり、デング熱と診断された。デング熱感染は、febrile、critical、covalescent(回復期)の3期に分類される。回復期には、このように、「赤い海の中の島(islands in a sea of red)」のような皮疹が出現する。3日後、彼女の発疹は完全に消失した。

 

 

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov