小児感染症科医のお勉強ノート

群馬県立小児医療センターで感染症を専門に診療しています。論文や病気のまとめを紹介します。

川崎病のオリジナル論文

指趾の特異的落屑を伴う小児の急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群

アレルギー 1967;16(3):178-222

 

 1967年に、川崎富作先生が発表した急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群の50例の報告です。川崎病のオリジナル論文は、日本語で発表されたために、海外への認知が遅くなったという話は聞いたことがありましたが、このような超大作とは知りませんでした。

 

 詳細に患者さんを問診・診察し、データに真摯に向き合い、反対意見があっても、外に向けて発信し続ける。臨床医としての大切なことを教えてくださる、素晴らしい論文だと思います。現在、使用されている診断基準のほとんど全てが記載されています。

 

1)各種抗菌薬を使用しても38℃以上の発熱が6日以上持続する
2)両側の眼球結膜の充血がある
3)皮膚の紅斑性発疹が、特に両手掌・両足底に特徴的に見られ、決して水疱形成を見ることがない
4)口唇の発赤、乾燥糜爛、皺裂、時に出血、血痂、口腔粘膜のびまん性充血・イチゴ舌が見られるが、水疱、潰瘍、偽膜あるいはアフタの形成が認められない
5)急性の頸部リンパ節腫脹が認められるが、決して化膿しない
6)両手・両足の血管神経性浮腫状を呈する
7)指趾先の爪皮膚移行部よりの膜様落屑が主として第2病週中に始まる
8)過半数が2歳以下である
9)再発が見られない
10)自然治癒し、後遺症を残さない
11)同胞感染が見られない
 

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https://www.jstage.jst.go.jp/article/arerugi/16/3/16_KJ00001633240/_article/-char/ja/