小児感染症科医のお勉強ノート

小児感染症を専門に診療しています。論文や病気のまとめを紹介します。

メタアナでは、ステロイドは腎瘢痕形成を予防するかも

" data-en-clipboard="true"> 先程の論文が出て、その後、メタアナリシスが実施されました。 " data-en-clipboard="true"> 5つの論文が解析対象になりました。どの論文も単独では、ステロイドは腎瘢痕形成を有意に抑制はしないという結論でしたが、不思議な…

ステロイドは小児の腎瘢痕形成を予防するか?

今日も、ヨーロッパ小児感染症学会(ESPID2024)でいろんな発表を聞いています。特に、若手が企画した「感染症とステロイド」というシンポジウムは、色んな意味で興味深かったです。 内容ももちろん良かったですが、30代くらいの若手が企画を作り、コーディネ…

フランスでの細菌性髄膜炎の状況

" data-en-clipboard="true"> これも、ヨーロッパ小児感染症学会(ESPID2024)で紹介された論文です。アブストラクトの内容より重要な内容があるので、グラフで紹介します。 " data-en-clipboard="true"> " data-en-clipboard="true"> 細菌性髄膜炎は、小児…

麻疹排除後の抗体価の減少

今は、ヨーロッパ小児感染症学会でデンマークに来ています。コロナ前の2019年に来て以来、久しぶりのヨーロッパを楽しんでいます。5年間の間に、色々な進歩があり、キャッチアップしています。 学会で紹介されていた論文の一つです。 平成27年に日本も麻疹排…

マラリアもモノクローナル抗体で予防する時代

熱帯熱マラリアは、非常に怖い感染症です。海外渡航が再び活発になり、日本の病院でも偶発的にマラリアの患者さんが来院するというケースも増えるかと思われます。 マラリアに関しては、あまりワクチンの開発が難航しており、あまり効果が高くありません。旅…

結局、内科医は知識があってなんぼです。

X(Twitter)では、大阪のトンデモ医師が話題になっていますが、医師(特に内科医)にとって、医学知識はよい医療を提供するために必須です。常に勉強です…。 知らない病気は診断できないし、診断できなければ治療もできません。私もたまにそういう患者さんに…

小児の末梢ラインの固定方法

" data-en-clipboard="true"> 子どもの末梢静脈ラインの確保は、成人に比べて難しいですが、固定方法も同じくらい難しいです。昔の指導医が、「最もテープを少なく、最も動かなくするか」が大事と言っていましたが、未だに自分なりの絶対解はありません。そ…

ChatGPT-4で感染症科医の出番は無くなる??

" data-en-clipboard="true">生成AIの進歩がすごい勢いですが、医療分野でも色々と応用されてきています。感染症科医は、重症感染症などのコンサルトを受け、助言するのが仕事です。助言内容について、ChatGPTのレベルは、感染症科医のレベルと比較してどこ…

ひっそりと姿を消したインフルエンザウイルスB型の山形系統

今年は、うちの長男が2回インフルエンザAに感染しました。インフルエンザは、A型とB型の2つの型が流行しますが、A型はH1 pdm09(2009年に出現した新型インフルエンザ)とH3(香港型)の2種類があります。 B型は、ビクトリア系統と山形系統に分類されますが、…

血液培養は何時間陰性ならOK?

小児の菌血症の除外には、血液培養が必須です。十分な量が取れない、2セット率が低いなど、成人とは異なる難しさがあります。 「血培取って、抗菌薬!」というのはよくやりますが、血培が何時間発育しなければ、菌血症は除外できたと言えるでしょうか?通常…

小児の血培採取時の皮膚消毒は?

" data-en-clipboard="true"> 小児科では、頻繁に血液培養を採取します。消毒方法は、色々で、イソジン、クロルヘキシジン、アルコールなどを使用します。また、点滴確保時の血管内カテーテルから、血培を採取(いわゆる逆流採血)しても良いかも、議論にな…

米国の小児COVID-19ガイダンス 入院編

第3節 COVID-19による入院が必要な小児患者におけるCOVID-19の治療 COVID-19による小児入院患者の評価 提言3.1: COVID-19以外の理由で入院し、呼吸サポートを必要としない患者については、外来患者に推奨されるアプローチを適用することを提案する。 コメン…

米国の小児COVID-19のガイダンス 外来編

今日の外来で、素敵な似顔絵を頂いたので、プロフィール画像を変更してみました。 第2回目です。外来治療編になります。 第2節 COVID-19による入院を必要としない小児患者におけるCOVID-19の治療 提言 (図3): 図3. COVID-19による入院を必要としない小児患…

米国の小児COVID-19ガイダンス

" data-en-clipboard="true"> 米国小児感染症学会(PIDS)から、小児のCOVID-19の予防と治療に関するコンセンサス・ステートメント(ガイダンス)が出ました。本文が長いので、4つの章がありますので、分けて紹介します。 " data-en-clipboard="true"> 今回は…

Toxin陰性のC. difficileは治療対象?

" data-en-clipboard="true"> Clostridioides difficile感染症(CDI)(いわゆる偽膜性腸炎)は、小児ではかなり少ない疾患です。毒素(toxin)産生株が CDIを引き起こします。しかし、toxin検査は感度が低く、toxin産生株がいても陽性にならないことも多いで…

MRSAに接触感染対策止める??

接触感染対策CPは、ガウン、手袋などを装着する感染対策です。耐性菌を保菌していたり、下痢症状がある患者などに適応されます。医療従事者にとっては、個人防護具PPEの着脱が面倒であり、コストもかかります。下痢については仕方ないと思うのですが、耐性菌…

新型コロナウイルス迅速抗原検査が偽陽性になる人の特徴

ウイルス迅速抗原検査は、日常診療で頻用される検査です。新型コロナウイルス以外にも、インフルエンザ、RSウイルスなど、毎日のように使用します。 この検査は、一般的に「感度が低く、特異度が高い」ので、偽陰性(感染しているけど検査陰性になる人)が多…

セフィデロコルと赤色尿

セフィデロコルは、塩野義製薬が開発した耐性グラム陰性菌用の抗菌薬です。昨年、厚生労働省が承認し、日本でも発売予定です。 www.nikkei.com 海外で、一足先に使用されており、赤色尿が出るという副反応が報告されています。 Cefiderocol Red Wine Urine S…

小児の化膿性関節炎のガイドライン出ました

米国小児感染症学会と米国感染症学会から、小児の化膿性関節炎のガイドラインがでました。ダイジェストサマリーの日本語訳です(一部、意訳しています)。 今回のポイントは、治療期間を短期にすることを推奨したことです。治療反応が良ければ、10−14日間の…

小児救急は大病院に行ったほうが良いのか?

" data-en-clipboard="true"> " data-en-clipboard="true"> 患者や家族の大病院信仰がありますが、基本的には、まずはかかりつけの先生に見ていただいて、必要なら大病院を紹介受診ということになります。 " data-en-clipboard="true"> 小児の救急外来でも、…

RSV予防のシナジスを何月から始めるか?

" data-en-clipboard="true"> 未熟児や基礎疾患を持つ子どもに重篤な気道感染症を起こすRSウイルスですが、日本では、(高リスク集団に対して)パリビズマブの予防投与が行われます。流行期が始まる直前に接種を始めるのですが、色々と問題点があります。 " …

小児の発熱性好中球減少症(FN)では、末梢静脈からも血培が必要か?

" data-en-clipboard="true"> 小児のFNでは、血液培養の採取が必須です。多くの患者さんが、中心静脈カテーテル(CVC)を留置しているため、CVCからの逆流採血で血液培養を採取します。シングルルーメンのカテーテルでは、1セットということになります。血培…

Fusarium solaniによる髄膜炎

" data-en-clipboard="true"> メキシコで集団発生したFusariumによる髄膜炎のアウトブレイク報告です。硬膜外麻酔の道具や薬品の汚染なのでしょうか? " data-en-clipboard="true"> Neurovascular Complications of Iatrogenic Fusarium solani Meningitis. …

水痘の曝露後予防の効果

" data-en-clipboard="true"> 一昔前は、小児病棟内で水痘の発症というのがよくありました。最近は、水痘ワクチンが普及して、本当に水痘を見る機会が減ってきました。 " data-en-clipboard="true"> 水痘は、空気感染する非常に感染力の強い感染症なので、水…

コロナ陽性の乳児期早期発熱は、細菌感染症の合併が少ないかも

最近、COVID-19の症例が増加しています。インフルエンザの流行がピークアウトしましたが、その分、コロナが増えている感じです。 乳児期早期発熱(生後3ヶ月未満の発熱)では、基本的に細菌感染症の精査が必須です。つまり、血液検査、尿検査などを行います…

【重要】小児敗血症の基準が変わります!

2024年(始まって1ヶ月ですが)、小児感染症分野の論文でおそらく最重要の論文の一つが出ました。 結論から言うと、「敗血症の定義が変わります」という、臨床へのインパクトも絶大な論文です。 そもそも小児の敗血症の定義ですが、2005年に小児敗血症コンセ…

オミクロン株より、RSウイルスのほうが重症化しやすい

新型コロナ流行当初は、MIS-Cなど様々な合併症や、呼吸障害が出るコロナを経験しました。オミクロン株が主体となってからは、(感染症法上の5類への以降もあり)入院が減ってきました。2023年は、感染対策の緩和から、RSウイルスが大流行し、今はインフルエ…

ニルセビマブの有望な効果: RSV関連下気道感染からの入院を減少させる

" data-en-clipboard="true"> 今週号のNEJMに、ニルセビマブの臨床試験の結果が掲載されました。ニルセビマブは、次世代のRSウイルスに対するモノクローナル抗体です。 " data-en-clipboard="true"> これまで、RSウイルスのモノクローナル抗体は、パリビズマ…

非結核性抗酸菌でコッホ現象が起きるのか?

日本の結核有病率の低下とともに、乳幼児の結核は激減しています。個人的にも、乳幼児の活動性結核は2例くらいしか見たことありません。 一方で、BCG接種後1週間以内に、接種部位が発赤したり化膿したりする現象を、コッホ現象といい、結核感染を示唆する所…

群馬大学での新生児のメトヘモグロビン血症集団発生の報告

2021年に群馬大学で起きた新生児のメトヘモグロビン血症集団発生の報告がNEJMで発表されました。厚生労働省などのHPでは公開されていますが、このように世界に向けて発信されたのは、素晴らしいです。筆頭著者の先生もよく存じ上げていますが、おめでとうご…