小児感染症科医のお勉強ノート

群馬県立小児医療センターで感染症を専門に診療しています。論文や病気のまとめを紹介します。

MIS-Cが重症化する因子

" data-en-clipboard="true"> " data-en-clipboard="true">小児多系統炎症性症候群(MIS-C)は、小児がCOVID-19に罹患した後に、発症する川崎病に類似の病態です。しかし、ショックや心筋炎などの重篤な合併症を起こすことがあり、死亡例も報告されています…

小児のウイルス性筋炎(良性急性小児筋炎: BACM)のまとめ

" data-en-clipboard="true"> 小児が、急に下肢の痛みを訴えたり、歩くのを嫌がった場合、ウイルス性筋炎≒良性急性小児筋炎(BACM)が鑑別に挙げられます。BACMは、自然軽快する疾患ですが、下肢痛の原因として見逃されることも多いです。典型的には、インフ…

小児心臓外科術後の感染症の解析

" data-en-clipboard="true"> 小児の心臓外科術後の炎症反応上昇は、アプローチが難しく、いつも苦戦します。理由としては、侵襲が大きくCRPが上昇しやすい、医療関連デバイスが多い(気管内挿管、中心静脈カテーテル、腹膜透析カテーテル、尿道カテーテル、…

期待が持てるデング熱ワクチン

" data-en-clipboard="true"> デング熱は、年間3億9000万人が感染し、50万人が入院する、熱帯地域に多い疾患です。デングウイルスが原因ですが、蚊が媒介して、人に感染します。デングウイルスは4つの血清型(DEN-1〜DENV-4)があり、異なる血清型に複数回感…

下気道症状がない肺炎(occult pneumonia)について

" data-en-clipboard="true"> 明らかな下気道症状がない肺炎を、occult pneumoniaと言います。不明熱と紹介されて、肺炎が見つかることもあります。このoccult penumoniaをどのような状況で疑うのか、なかなか難しいですが、遷延する発熱(特に5日以上)、咳…

腸間膜リンパ節炎のマネージメント

" data-en-clipboard="true"> 小児科外来で、虫垂炎らしい右下腹部痛が来た時に、エコーで「虫垂腫大はありません。腸間膜リンパ節の腫大を認めます。」というレポートが返ってきて、少しがっかり(?)することがあります。診断は、「腸間膜リンパ節炎」と…

細菌性骨髄炎と非感染性骨髄炎

小児の細菌性骨髄炎(BO)は、黄色ブドウ球菌が多く、四肢の長管骨に多いことが特徴的です。成人では、椎体炎が多いことと対照的です。 急性の経過で、血液培養などから原因菌がすんなり判明するケースは問題ないのですが、緩徐な経過で発症するケースもあり…

小児の肺炎の治療期間は何日間?!

" data-en-clipboard="true"> 「小児の市中肺炎を何日間治療するか?」とてもシンプルですが、実は、明確な答えがありませんでした。CRP陰性化ではもちろんありません。 " data-en-clipboard="true"> " data-en-clipboard="true"> これまでに発表された中で…

小児穿孔性虫垂炎で治療10日間・内服へ変更可能

" data-en-clipboard="true"> 小児の虫垂炎は、低年齢ほど穿孔するリスクが高い疾患です。今は、急いで手術をするのではなく、まずは抗菌薬で炎症を沈静化させてから、時間をあけて虫垂切除術を行います (interval appendectomy)。 " data-en-clipboard="tru…

安定した細気管支炎はSpO2連続モニター不要

" data-en-clipboard="true"> 冬の小児科病棟と言えば、RSウイルスによる細気管支炎の子がたくさん入院しているものでした。しかし、RSウイルスの流行は、いつしか夏に移動し、通年で流行するようになり、「日本も亜熱帯になったなあ」と、小児科医に地球温…

食物蛋白誘発性腸炎(FPIES)と感染症

長い名前ですが、新生児-乳児食物蛋白誘発性腸炎(FPIES)という病気があります。FPIESは、乳幼児期に発症する食物アレルギーの1種です。典型的には、原因食物の摂取から1-4時間後に、大量に嘔吐して、顔面蒼白、ぐったり、血圧低下、下痢などを伴います。牛…

小児の血液培養はルーチンで嫌気ボトルも採取するべき?

血液培養には、好気ボトルと嫌気ボトルがあります。小児では、理論的には嫌気ボトルでしか発育しない「偏性嫌気性菌」による菌血症は少ないので、ルーチンに嫌気ボトルに採取する必要はないと考えられています。嫌気ボトルの使用は、腹腔内感染症(穿孔性虫…

学校閉鎖は新型コロナ流行にあまり影響を与えない

" data-en-clipboard="true"> 学校閉鎖は、子供にとって悪影響が大きいことが、分かってきています。一方で、学校閉鎖を行わないと、流行の拡大を止められないのではないかという懸念もあります。(この考えはもっともだと思います。) " data-en-clipboard=…

これからの世界を考えるヒント

本日の、ネタは、論文でも、エビデンスでもなく、最近読んだ中で、非常に感銘を受けた本の紹介です。実は、しばらく自宅の本の量を増やしたくなくて、Kindleで読むことが多かったのですが、電子書籍は ・読んだのに、なんとなく頭に残らない ・眼が悪くなる …

小児肺炎、誰が血培陽性になるのか??

" data-en-clipboard="true"> 先ほど紹介した論文(小児の市中肺炎で血培陽性は2.5% - 小児感染症科医のお勉強ノート)の二次解析のデータです。 " data-en-clipboard="true"> 小児の市中肺炎では、血培陽性率がかなり低い(2.5%)ですが、どのような患者が血…

小児の市中肺炎で血培陽性は2.5%

" data-en-clipboard="true"> 入院を要する小児の市中肺炎では、血液培養を採取することが比較的多いです。ガイドラインでも推奨されていますが、実際に陽性になることは極めてまれです。それは、肺炎球菌ワクチンなどが普及し、肺炎球菌肺炎から菌血症を併…

ワクチン筋注は「素早く!」打つと痛くない

" data-en-clipboard="true"> 新型コロナウイルスワクチンが、国内で認可され、接種が始まりました。大規模に筋肉内注射(筋注)でワクチンを打つことは、国内では初めての経験なので、痛いのではないかとか色々言われています。 " data-en-clipboard="true"…

黄色ブドウ球菌菌血症においてリネゾリドへの早期oral switchは悪くない

" data-en-clipboard="true"> 黄色ブドウ球菌菌血症(SAB)は、「最低でも2週間の抗菌薬投与」が必要な重症感染症です。成人では、IEが否定できない場合には4週間の静注を行うことも多く、入院日数がかなり長期になっていました。OPATなどが普及すれば、解決…

血液培養陽性だけど菌が見えない!

" data-en-clipboard="true"> 血液培養が陽性になった時に、Gram染色で菌体を認めないことがあります。偽陽性反応(本当は菌がいないのに陽性になった)のこともありますし、Gram染色で菌が見えないだけで本当に菌がいることもあります。 " data-en-clipboar…

MRSA菌血症にバンコ+セファゾリン併用療法は有効か?

" data-en-clipboard="true"> MRSA菌血症は、重篤で、死亡率が高い疾患です。バンコマイシンを十分量使用しても、菌血症が持続する場合には、ダプトマイシンに変更したり、感染巣を除去(カテ抜去やドレナージなど)を早期に行います。 " data-en-clipboard=…

β-D-グルカンの偽陽性の原因

β-D-グルカンは、侵襲性真菌感染症の検査として、頻用されています。検査方法やカットオフ値により、感度・特異度が変わってきますが、侵襲性真菌感染症では、感度が78−95%、特異度は85.7−98%程度です。 " data-en-clipboard="true"> しかし、偽陽性がそれ…

COVID-19パンデミックが子どもの心に与える影響

" data-en-clipboard="true"> COVID-19のパンデミック以降、心の不調を訴えるお子さんが増加しています。日本小児科学会も、学校の休校や保育園の休園に対する、子供の身体や心への負の影響を懸念した声明を出しています。 " data-en-clipboard="true"> 新型…

成人の類白血病反応(白血球異常高値)を見たら

" data-en-clipboard="true"> 先日、小児の類白血病反応(末梢血の白血球異常高値)について、イスラエルの報告を書きました。 " data-en-clipboard="true"> 白血球数がすごく高い時(類白血病反応)、何を考えるか? - 小児感染症科医のお勉強ノート " data…

カテ先からグラム陰性菌が出てきたら?

2日連続のカテ先培養のネタですみません。 カテ先培養陽性で、subsequent bacteremia (late CRBSI)のリスクが高い菌は、MSSA (12.5%) > MRSA (9.9%) > 真菌(6.2%) > Gram陰性菌(4.3%)でした。 Gram陰性菌の中で、subsequent bacteremiaの頻度(SB率)に違い…

カテーテル先端培養が陽性だった場合の菌血症リスク

病棟で急な発熱の患者を見た時、「カテーテル関連血流感染症(CRBSI)かもしれない」と思って、血液培養とカテ先培養を提出することはよくあります。 後日、血培は陰性なんだけど、カテ先だけ陽性という培養結果が判明した場合、対応を悩むことがあります。 …

妊婦の新型コロナスクリーニング検査

" data-en-clipboard="true"> COVID-19の流行の拡大により、院内クラスターの報告が相次いでいます。入院時スクリーニング検査で陰性だったのに、入院後発症した例もあります(病気と検査の特性を考えれば、発生して当然ですが…)。 " data-en-clipboard="tr…

虫垂炎が穿孔した時の抗菌薬は?

" data-en-clipboard="true"> 虫垂炎穿孔による腹膜炎は、適切な抗菌薬投与と迅速な手術・ドレナージ(最近は保存的に頑張ることも多いが)が必要な病態です。抗菌薬に関しては、広域抗菌薬が選択されやすいですが、緑膿菌までカバーが必要かを検討した研究…

バンコマイシンヘテロ耐性は治療失敗を増やすかも

" data-en-clipboard="true"> 連続でバンコマイシンヘテロ耐性の話題です。St. Jude病院で白血病患者のコアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CoNS)によるカテーテル関連血流感染症を対象にした研究です。 " data-en-clipboard="true"> ヘテロ耐性がある株(すべてが…

バンコマイシン感受性株の治療失敗はヘテロ耐性を考慮

Gram陽性ブドウ球菌は、黄色ブドウ球菌とコアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CNS)からなります。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(いわゆるMRSA)は40%程度、メチシリン耐性CNS(MRCNS)は70−80%程度の頻度で国内では見られます。 バンコマイシンの最小発育阻止濃度…

化膿性頸部リンパ節炎と川崎病を見分ける

" data-en-clipboard="true"> " data-en-clipboard="true"> 川崎病は、小児に多い血管炎症候群です。発熱、発疹、口唇変化、手掌足底の変化、眼球結膜充血、頸部リンパ節腫脹が特徴的な疾患です。すべてが揃えば、診断は容易ですが、そうでない症例も多いで…