小児感染症科医のお勉強ノート

小児感染症を専門に診療しています。論文や病気のまとめを紹介します。

小児の虫垂炎は、保存的治療でいけるか?

" data-en-clipboard="true"> かつては、急性虫垂炎(いわゆる盲腸)は、小児の緊急手術が必要な疾患の代表でした。小児科医になりたての頃は、いかに早く診断することが重要で、早く外科の先生に紹介して、早く虫垂切除術をしてもらうことが、患者の予後を…

小児の下気道感染症(肺炎を除く)に抗菌薬投与の意義は無い

小児の下気道感染症に抗菌薬を出すのかは、小児科医の永遠(?)のテーマです。「抗菌薬を出さずに治る子も多いけど、そのまま肺炎で入院になる子もいるよ」というのが実感なのですが、そもそも抗菌薬を出せば肺炎で入院になる子が減るのか?ということが重…

小児のRSウイルス感染症の予防にニルセビマブが有効

" data-en-clipboard="true"> 小児において、RSウイルス感染症は厄介な病気です。多くの子は感染すると、発熱、咳、喘鳴(ゼイゼイ)、鼻汁などの症状が見られますが、時に呼吸不全になったり、脳症や脳炎、無呼吸発作などを起こすことがあります。 " data-e…

小児の口囲皮膚炎にカルシニューリン阻害薬

" data-en-clipboard="true"> 口囲皮膚炎という、口の周りを中心に皮膚炎を起こす病気があります(写真)。成人の女性に多い病気です。はっきりした原因は分かりませんが、ステロイド軟膏を塗ることなどが関係しているという報告もあります。 " data-en-clip…

抗菌薬に整腸剤を併用する意義は?

" data-en-clipboard="true"> 抗菌薬の副作用として、抗菌薬関連下痢症(antibiotics associated diarrhea: AAD)は、よく起きます。抗菌薬により腸管内の正常細菌叢が乱されて起きると考えられており、整腸剤は一定の役割を果たすのでは無いかと考えられてき…

マクロアミラーゼって何?

" data-en-clipboard="true"> 先日、詳細は省きますが、アミラーゼ高値と免疫グロブリン高値で紹介された患者さんがいました。いろいろと原因を検索したのですが、最終的には、「マクロアミラーゼ」と考えられました。 マクロアミラーゼという病態を知らなか…

抗菌薬投与後2.9時間で、尿培養は半数が陰性化する

" data-en-clipboard="true"> 尿路感染症の患者さんの尿培養を採る前に、抗菌薬が投与された場合、尿培養が陰性化することがあります。結果的に、原因菌が分からなくなり、広域抗菌薬を投与せざるを得ないという、残念なことになります。 " data-en-clipboar…

5−11歳の小児におけるファイザーワクチンの有効性

" data-en-clipboard="true"> 新型コロナウイルス感染症やワクチンについて、目まぐるしい速度でエビデンスが生まれています。小児科学会が、5−17歳の小児に対するワクチンを「推奨」に変更したことは大きなニュースです。 " data-en-clipboard="true"> www.…

4回目ワクチンはファイザーそれともモデルナ??

" data-en-clipboard="true"> 4回目のワクチン接種が、急ピッチで進む中、4回目はファイザーかモデルナどちらが良いか、迷っている方も多いと思います。 " data-en-clipboard="true"> イギリスから、4回目接種後の免疫反応を検討した論文が出ました。残念な…

ワクチン接種によりMIS-Cは減る(デンマークのコホート研究)

" data-en-clipboard="true"> 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患後2−6週間で発症する小児多系統炎症性症候群(MIS-C)という病態があります。川崎病に似た症状を呈しますが、ショックになるリスクが高く、ICUでの管理が必要になることが多く、死亡例…

小児新型コロナウイルス罹患後の後遺症

再び、新型コロナウイルス感染症の患者数が増加しています。第6波では、小児例がとても多く、当院でも多くの方が入院しました。罹患後になかなか体調が元通りに戻らないお子さんもおり、長期的な影響が心配されます。 この研究は、アメリカの小児施設で、COV…

BCG接種後のリンパ節炎に抗菌薬は必要か?

BCGワクチンは、乳児が接種するワクチン(いわゆるハンコ注射)です。BCG菌を、特殊な針を使って接種するのですが、BCG菌自体による感染症を起こしてしまうことがあります。代表的なものとしては、リンパ節炎(接種した側の腋窩に多い)や接種部位の膿瘍など…

アデノウイルスによる皮疹の特徴

アデノウイルス感染症は、夏季に流行する感染症です。咽頭結膜熱や流行性角結膜炎、胃腸炎などの原因になりますが、通常の感冒の原因にもなります。まれに、肝炎、肺炎、脳炎など、重篤な感染症を起こします。免疫不全者に、出血性膀胱炎を起こすウイルスと…

定期的な気管分泌物培養はVAPの抗菌薬選択に役立つ

" data-en-clipboard="true"> 人工呼吸器関連肺炎(VAP)は、小児PICUにおける、重篤な合併症です。緑膿菌やMRSAなど耐性菌も考慮した抗菌薬が選択されることが多いですが、どうしても広域抗菌薬が選択されがちです。 " data-en-clipboard="true"> 気管内挿管…

新型コロナ患者の母児同室は安全か?

" data-en-clipboard="true"> 小児の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者を受け入れる時、保護者が同室するのかは大きな問題になります。特に年少児では、生活が自立していないため、頻回のオムツ替え、授乳などが必要で、(特に隔離室に入ってしまうと…

NICUでのアシネトバクター菌血症

" data-en-clipboard="true"> アシネトバクターは、院内感染の原因となる細菌です。多剤耐性アシネトバクターによる感染症は、治療選択肢が少なく、難渋することがありますが、国内で分離されるアシネトバクターは比較的感受性のよい株が多いです。 " data-e…

家庭内での新型コロナ二次感染率のまとめ

" data-en-clipboard="true"> 新型コロナウイルスの陽性者が減り、徐々に日常を取り戻しつつあります。2022年初頭から経験した第6波は、オミクロン株が流行したもので、これまでの流行で最大の感染者数と死者数を記録しています。 " data-en-clipboard="true…

母が梅毒検査陰性なのに、児が先天梅毒になることはあるか?

" data-en-clipboard="true"> 先天梅毒を診療する上で、こんなピットフォールがあるのか!と驚いた症例報告です。(原理的には理解できるのですが、母梅毒検査陰性という情報を知ってしまったら、先天梅毒を正確に診断する自信はあまりありません…。) " dat…

サル痘ってどんな病気?

" data-en-clipboard="true"> カナダでサル痘の患者が集団発生している報告があります。医者にとっても聞き慣れない病気ですので、まとめました。 " data-en-clipboard="true"> news.yahoo.co.jp " data-en-clipboard="true"> " data-en-clipboard="true"> …

小児がん患者とCOVID-19

" data-en-clipboard="true"> 小児がん患者のCOVID-19の特徴をまとめたシステマティックレビューです。2021年6月の論文で多くの症例が、COVID-19パンデミック初期にあたります。そのため、症状の特徴や、治療内容(ヒドロキシクロロキンが多い)に関しては、…

オミクロン株は、デルタ株より重症化しにくい(小児)

" data-en-clipboard="true"> オミクロン株とデルタ株の流行期の、小児COVID-19の重症度を比較した検討です。 " data-en-clipboard="true">成人でも言われているように、小児においても、オミクロン株では重症化しにくい傾向がありました。 " data-en-clipbo…

オミクロン株に対するファイザーワクチンの効果(小児)

" data-en-clipboard="true"> " data-en-clipboard="true"> 第6波(オミクロンの流行)では、小児COVID-19患者数が増加し、重症例も増えています。一方で、小児(5-11歳)へのワクチン接種は認可されたものの、未だに接種率が低いのが現状です。 " data-en-c…

オミクロン株に感染した小児の臨床像

" data-en-clipboard="true"> 新型コロナウイルスの変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)が流行した第6波以降、COVID-19に対応する医療現場は変わってきています。テレビの報道などでも、重症化する患者が減り、重症用ベッドが足りないということは無くなり…

高張食塩水吸入後の喀痰でも、小児の肺炎の起炎菌はわからない

" data-en-clipboard="true"> 小児の肺炎の原因菌は何なのか?簡単なようで、実は難しい問いです。小児の肺炎の原因が確実に分かることは意外と少ないです。その理由は、小児で下気道痰を採取するのが難しいからです。 " data-en-clipboard="true"> 例えば、…

小児の血液培養、最適な採血量のまとめ

" data-en-clipboard="true"> " data-en-clipboard="true"> 小児の血液培養の採血量とセット数は、小児救急医療に関わる医師にとって、避けては通れない問題です。 " data-en-clipboard="true"> 小児から2セット採取ことの難しさ、採血量が多いと(特に新生…

ノロとロタの臨床症状の違い

" data-en-clipboard="true"> 最近、ノロウイルスによる胃腸炎が流行っています。新型コロナウイルス対策に、アルコールによる手指消毒が一般的になりましたが、ノロウイルスにはアルコールが効果的ではないことが影響しているのかもしれません。 " data-en-…

小児の誤嚥性肺炎の治療期間は7日間で良い

" data-en-clipboard="true"> 脳性麻痺などの重症心身障害児にとって、誤嚥性肺炎はコモンな疾患であり、入院の原因になります。自覚症状を訴えることができず、身体所見が取りにくいお子さんの誤嚥性肺炎を治療する時には、どうしても長期治療(CRP陰性化ま…

CRP/PCT比でマイコプラズマ肺炎を予測する(成人)

プロカルシトニン(PCT)とCRPネタの連投ですいません。 CRP/PCTの比を検討することで、市中肺炎の原因菌の区別ができないかという成人を対象にした研究です。CRPもPCT単独では、原因微生物については何も言えないですが、このような比較をすると興味深いです…

プロカルシトニンとCRPが乖離した時、どうする?

" data-en-clipboard="true"> CRPは、発熱など感染症を疑う小児で確認する炎症反応のバイオマーカーです。プロカルシトニン(PCT)も、同様の炎症を表すバイオマーカーですが、細菌感染症に置いてCRPより鋭敏に上昇するために感度が良い、また、最近では抗菌…

Corynebacterium菌血症のまとめ

以前に所属していた亀田総合病院の感染症科から、素晴らしい論文が出ました。 Corynebacterium spp.が血液培養から検出された患者の後方視的検討です。Corynebacterium spp.は、真の菌血症で重症化することから、コンタミのこともあります。「血培陽性」とな…