小児感染症科医のお勉強ノート

小児感染症を専門に診療しています。論文や病気のまとめを紹介します。

2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

オミクロン株に対する小児(5-11歳)ファイザーワクチンの効果

" data-en-clipboard="true"> 今年から、コロナワクチンは、毎年の接種が推奨される見込みです。小児の接種率は、相変わらず向上せず、残念ながら、オミクロン株流行以降、コロナにより亡くなられたお子さんの報道が相次ぎました。 " data-en-clipboard="tru…

最近の日本の髄膜炎の疫学

" data-en-clipboard="true"> 私が、小児科医になった頃と、大きく疫学が変わったのは、細菌性髄膜炎です。初期研修・後期研修の頃は、肺炎球菌とヒブワクチンが、定期接種化されておらず、肺炎球菌とヒブ髄膜炎は、たくさんいました。(ついでに、ヒブによ…

MRSAの鼻腔監視培養は意味があるか?

" data-en-clipboard="true"> ICUなど重症者が多い病棟では、MRSAの鼻腔監視培養を行うことがあります。細菌培養検査は、「感染症が疑われる時に、疑われる場所から採取」するのが原則ですが、監視培養は、一律に検査して、どの患者が鼻腔内にMRSA保菌をして…

小児のペニシリンアレルギー表示はデメリットも多い

ある薬物にアレルギーがある患者さんに対して、その薬物を投与しないことは、医療における常識ですが、「アレルギーがある」こと自体が間違っていることがあります。 例えば、アルコールアレルギーと書いてあっても、「アルコール綿でゴシゴシ擦ったときに少…

小児の軽症肺炎の改善指標は何を見たら良いか?

" data-en-clipboard="true"> 市中肺炎(CAP)は、世界では幼児の主要な死因です。米国では、小児1万人あたり約15.7人が入院し、小児入院の2番目に多い理由となっています。日本でも、同様で、ほとんどが外来管理したり、入院しても比較的早期に改善しますが…

乳幼児の熱源不明の発熱で、考えるウイルスは?

" data-en-clipboard="true"> 少し古い論文の紹介です。乳幼児の発熱はとても多いのですが、診断がつかないことはよくあります。外来では、「何かのウイルス性の病気(いわゆる風邪)ですよ」としょっちゅう説明しますし、具合が悪く入院になっても、細菌検…

小児副鼻腔炎の起炎菌は?

副鼻腔炎と中耳炎は、小児科でもよく見る感染症です。しかし、どちらも閉じた空間(鼓室と副鼻腔)の感染症であり、原因の微生物へのアプローチが難しいのが現状です。 高知の耳鼻科開業医の先生が、小児の上顎洞炎(一般的な副鼻腔炎)の原因微生物を報告さ…

妊娠中のRSウイルスワクチンが、出生児の重症感染を減らす

" data-en-clipboard="true"> 乳児にとってRSウイルス(RSV)感染症は、大変な病気です。呼吸状態が悪化して入院となったり、まれですが脳炎などの重篤な合併症もあります。 私も小児科医になりたてのときに、受け持った赤ちゃんが、ひどい無呼吸発作になり、…