小児感染症科医のお勉強ノート

小児感染症を専門に診療しています。論文や病気のまとめを紹介します。

2024-11-01から1ヶ月間の記事一覧

抗菌薬投与後の下痢の予防方法

抗菌薬は、細菌感染症の治療に必須の薬剤ですが、副作用として下痢が見られることがよくあります。治療のために必要だけど、下痢が続き、赤ちゃんのおしりが真っ赤になると心が痛みます。プロバイオティクスが、抗菌薬関連の下痢症予防に有効かをみた研究で…

CIDの表紙に日本の木版画が!

IDSA(米国感染症学会)の学会誌の最新号の表紙が、麻疹退治の木版画でした。 麻疹退治(Hashika taiji)」、1862年、歌川芳藤(日本、1828–1889年)、江戸(東京)、E.13607-1886。ヴィクトリア・アルバート博物館(ロンドン、英国)所蔵. 19世紀中頃、日本…

小児におけるCOVID-19重症化のリスク因子

日本では、現状ではCOVID-19の流行は落ち着いていますが、毎年冬と夏の2回の流行が定着してきたように思います。改めて、小児における重症化リスクを大規模データから導き出した検討です。 オミクロン株になり、更に重症化リスクは減っていると思いますが、…

MRワクチン後の血小板減少性紫斑病(ITP)について

ワクチンによる免疫反応がきっかけで、血小板減少性紫斑病(ITP)を発症することがあります。風疹ワクチンが有名ですが、他のワクチンでも起きます。 ワクチン関連のITPを経験した時、もう一度同じワクチンを打っても良いのでしょうか?疑問に思ったので、調…

虫垂炎に対して、タゾピペ(ピペラシリン・タゾバクタム)を減らしたい

現在、コロナ後の抗菌薬の使用状況をまとめています。外科系領域でピペラシリン・タゾバクタム(タゾピペ、ゾシン)の使用量がかなり増えていることが分かり、対応を考えています。 ちょうどそんな中、抗菌薬適正使用推進プログラム(ASP)により、小児の虫…

尿路感染の再発予防にクランベリージュースは効くのか?

尿路感染症を再発するお子さんの管理は難しいです。膀胱尿管逆流や神経因性膀胱などがあると、管理は困難になります。一般的には、予防的抗菌薬投与などを行いますが、結局、投与している抗菌薬に耐性の菌が定着し、感染を再燃します。 どうにも困った症例に…