小児感染症科医のお勉強ノート

小児感染症を専門に診療しています。論文や病気のまとめを紹介します。

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

急性副鼻腔炎の合併症

AAPの副鼻腔炎のガイドラインのから、急性副鼻腔炎の合併症をまとめました。 ガイドライン本文はコチラです。 Clinical practice guideline for the diagnosis and management of acute bacterial sinusitis in children aged 1 to 18 years Pediatrics. 201…

先天性サイトメガロウイルス感染症の診断には乾燥ろ紙血が使える

先天性サイトメガロウイルス(cCMV)感染症は、胎児を妊娠中の母親がサイトメガロウイルス(CMV)に感染して、子宮内の胎児にCMVのが感染する疾患です。 脳内の石灰化や、聴力障害、運動発達遅延などの重篤な後遺症を残します。出生後に、治療をすることで聴力…

乳児発熱の血培陰性確認は48時間

" data-en-clipboard="true"> 乳児の発熱(特に乳児期早期発熱)では、血液培養の採取がよく行われますが、培養開始から何時間まで見たら、安心して「血培陰性です」と言えるでしょうか? " data-en-clipboard="true"> 小児病院で勤務していると、遅れて発育…

尿所見のある乳児期早期発熱に髄液検査は必要か?

生後3ヶ月未満の発熱は、小児科的emergencyですが、特にワクチン未接種の生後2ヶ月未満は、「細菌性髄膜炎は大丈夫かな?」とより注意深くなります。 とはいえ、この年齢層であっても、細菌性髄膜炎の頻度は低く、普通のウイルス感染、尿路感染症の方が熱源…

小児におけるセフトリアキソンの副作用

セフトリアキソンは、第3世代セファロスポリンとうカテゴリーの抗菌薬です。市中肺炎、尿路感染、髄膜炎など、幅広い感染症に使用できる抗菌薬で、かつ1日1回投与で済むので、感染症診療には非常に重要な薬剤です。 一方、新生児では核黄疸のリスクになる…

鹿肉でトキソプラズマ症のアウトブレイク!

" data-en-clipboard="true"> トキソプラズマ症は、原虫のToxoplasma gondiiによって引き起こされる感染症です。感染しても無症状のことも多いのですが、発症した場合には、発熱、倦怠感、頭痛、リンパ節腫脹などの症状が見られます(EBウイルス陰性の伝染性…

培養陰性の肺炎でde-escalationしても予後は悪化しない(むしろ良い)

" data-en-clipboard="true"> 肺炎の患者さんの治療は、経験的治療を行うのですが、多剤耐性菌による肺炎を起こしやすい背景(入院歴、保菌歴、免疫不全など)があると、初期から広域の抗菌薬を使います。しかし、喀痰から有意な菌が検出されない時、患者さ…