小児感染症科医のお勉強ノート

小児感染症を専門に診療しています。論文や病気のまとめを紹介します。

多剤耐性菌

神経疾患と緑膿菌〜叩くべきか叩かざるべきか〜

以前にも取り上げましたが、脳性麻痺など重度の神経障害があるお子さんの緑膿菌の肺炎は、重症化する事があり、恐ろしい疾患です。一方、このようなお子さんは、気道にもともと緑膿菌を保菌していることが多く、気道感染=緑膿菌が原因とは限りません。 pedi…

培養陰性の肺炎でde-escalationしても予後は悪化しない(むしろ良い)

" data-en-clipboard="true"> 肺炎の患者さんの治療は、経験的治療を行うのですが、多剤耐性菌による肺炎を起こしやすい背景(入院歴、保菌歴、免疫不全など)があると、初期から広域の抗菌薬を使います。しかし、喀痰から有意な菌が検出されない時、患者さ…

小児のElizabethkingia感染症

Elizabethekingiaは、環境中に存在する多剤耐性Gram陰性桿菌(GNR)で、メロペネム耐性として有名です。かなりまれな菌ですが、「GNRだからメロペネムで大丈夫」って思っていると足元を救われます。キノロンが有効であることが多い菌です。 変わった名前です…