小児感染症科医のお勉強ノート

群馬県立小児医療センターで感染症を専門に診療しています。論文や病気のまとめを紹介します。

非免疫性胎児水腫の原因(感染症)

 非免疫性胎児水腫は、胎児に腹水・胸水・心嚢水などが出現する病態です。血液型のRh不一致が原因で起きるものは、免疫性胎児水腫ですが、それ以外は、非免疫性胎児水腫として、様々な原因があります(心疾患、双胎、代謝疾患など)。

 一部は、感染症が原因であり、感染症科としては、原因検索ができることが重要です。特に頻度の高い病原体の検索をしっかりすることが重要です。

 

頻度の高い病原体

・パルボウイルスB19 

サイトメガロウイルス

トキソプラズマ

・梅毒

 

 UpToDateで挙げられている原因と診断方法をまとめました。日本で一般的に行われている検査と一部異なります。

病原体
診断
治療
パルボウイルスB19
母のIgM, IgG
羊水・児のPCR
なし
児に胎内輸血
羊水のウイルス抗原検査
(母のIgM,IgGも行う)
なし
母または臍帯血のIgM, IgG、羊水のPCR
スピラマイシン+スルファジアジン
単純ヘルペスウイルス
ウイルス培養
アシクロビル
風疹
児のIgM
なし
コクサッキーウイルス
なし
なし
水痘帯状疱疹ウイルス
母のIgM
アシクロビル
梅毒
非トレポネーマ試験と
トレポネーマ試験
Chagas病
母の抗体検査
Benznidazole
母のIgM, IgG, PCR
なし
コクサッキーウイルス
母の抗体
なし