抗菌薬の治療期間が7日以下(n=64)でも、再燃はなく、十分なようです。また、髄膜炎や骨髄炎などの、消化管以外に感染巣があるのはかなりまれということです。
Nontyphoidal Salmonella Bacteremia in Previously Healthy Children: Analysis of 199 Episodes
Tsai MH, et al. Pediatr Infect Dis J. 2007; 26: 909.
背景:
方法:
1996年5月から2003年6月までの間に長庚小児病院で治療を受けたNTSの血液培養陽性患者を微生物検査室記録から同定した。基礎疾患や併存疾患を有する患者は除外した。
結果:
199人の患者が対象に含まれた。118例(59.3%)は男児で、184例(92.5%)は生後3ヵ月−5歳であった。初期症状は発熱(97.0%)と下痢(79.9%)が多かった。白血球増多(白血球数>15,000/mm3)および血清CRPの上昇(10 mg/L以上)は、それぞれ14.6%、79.4%の患者に認められた。抗生物質治療を受けた184人のうち83%が第3世代または第4世代のセファロスポリンを最終的な抗菌薬治療として受けていた。局所の感染巣は5例(2.5%)に認められ,2例が髄膜炎,3例が骨髄炎であった。 治療後少なくとも12ヵ月間の追跡調査期間中に転移性合併症や臨床的再発は認められなかった。死亡例はなかった。
結論
基礎疾患のない小児では、NTS菌血症は比較的経過良好であり、腸管外の感染巣はまれに認められた。抗菌薬の治療期間は10日以内でも、膿瘍性の感染巣がない場合には、おそらく十分である。