小児感染症科医のお勉強ノート

小児感染症を専門に診療しています。論文や病気のまとめを紹介します。

バンコマイシン

Corynebacterium菌血症のまとめ

以前に所属していた亀田総合病院の感染症科から、素晴らしい論文が出ました。 Corynebacterium spp.が血液培養から検出された患者の後方視的検討です。Corynebacterium spp.は、真の菌血症で重症化することから、コンタミのこともあります。「血培陽性」とな…

MRSA菌血症にバンコ+セファゾリン併用療法は有効か?

" data-en-clipboard="true"> MRSA菌血症は、重篤で、死亡率が高い疾患です。バンコマイシンを十分量使用しても、菌血症が持続する場合には、ダプトマイシンに変更したり、感染巣を除去(カテ抜去やドレナージなど)を早期に行います。 " data-en-clipboard=…

バンコマイシン感受性株の治療失敗はヘテロ耐性を考慮

Gram陽性ブドウ球菌は、黄色ブドウ球菌とコアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CNS)からなります。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(いわゆるMRSA)は40%程度、メチシリン耐性CNS(MRCNS)は70−80%程度の頻度で国内では見られます。 バンコマイシンの最小発育阻止濃度…

バンコマイシンアレルギーの場合、テイコプラニンを使えるか?

バンコマイシンとテイコプラニンは、主に耐性Gram陽性球菌(MRSAなど)の感染症に使用する薬剤です。どちらも、グリコペプチド系の薬剤になります。テイコプラニンは米国で販売されていないため、臨床使用成績などのエビデンスはバンコマイシンの方が豊富です…

感染性心内膜炎の初期治療のまとめ

" data-en-clipboard="true">感染性心内膜炎(IE)は突然やってくる…。 " data-en-clipboard="true">IEの初期治療は、ガイドラインの該当箇所が分かりにくく、 " data-en-clipboard="true">急いで治療したいのに、なかなか見つからなくて焦ることがあります。…

小児PICU入院患者において、バンコマイシンとフロセミドorアムホテリシンBの併用が急性腎障害のリスクを上昇させる

Vancomycin-associated Nephrotoxicity and Risk Factors in Critically Ill Children Without Preexisting Renal Injury Pediatric Infect Dis J. 2019;38(9):934-938 小児重症患者において、バンコマイシン関連の腎障害が起きやすい患者を検討した。 2011−…