小児感染症科医のお勉強ノート

群馬県立小児医療センターで感染症を専門に診療しています。論文や病気のまとめを紹介します。

米国ではVZVワクチン導入後、小児の帯状疱疹が減少している

The Epidemiology of Herpes Zoster in the United States During the Era of Varicella and Herpes Zoster Vaccines: Changing Patterns Among Children

Harper R, et al. Clin Infect Dis. 2019 Jul 2;69(2):345-347.

 

 米国では、1996年に水痘・帯状疱疹ワクチンが1回接種となり、2006年に2回摂取になりました。水痘が減少したのはもちろんですが、帯状疱疹も減少していることを示したデータです。IBM MarketScan Reserch Databasesを用い、1998−2016年の小児における帯状疱疹発生数をICD-9/10の病名から検索した。

 ワクチン導入後に、一時的に帯状疱疹の患者が、増加したが、その後は、減少した。女子に多い傾向があったが、近年はその傾向も消失した。

1996年以前に出生した子どもは、年齢が上がるにつれて、帯状疱疹の発症が増えたが、現在は、年齢に関係ない。

 一過性に帯状疱疹罹患率が上昇した要因として、ワクチン株による帯状疱疹の可能性がある。

 

 日本では、帯状疱疹のデータは無いと思いますが、ワクチン導入後に水痘の減少が見られています。今後は、帯状疱疹も減少してくることが、期待できるのではないでしょうか。

 それにしても、小児の帯状疱疹に男女差(女児に多い)があるとは、知りませんでした。

 VZV感染が減ったんだから、当たり前といえば、当たり前ですが、導入後に一過性に上昇が見られたのは、ワクチン株による帯状疱疹と考えられます。
小児期の水痘の予防だけでなく、その後の帯状疱疹が減ることは、ワクチンの医療経済学的観点からは重要なデータと考えます。