尿所見のある乳児期早期発熱に髄液検査は必要か?
生後3ヶ月未満の発熱は、小児科的emergencyですが、特にワクチン未接種の生後2ヶ月未満は、「細菌性髄膜炎は大丈夫かな?」とより注意深くなります。
とはいえ、この年齢層であっても、細菌性髄膜炎の頻度は低く、普通のウイルス感染、尿路感染症の方が熱源としてはるかに一般的です。髄液検査を全例に実施するのは、やはり非効率的で、試行錯誤します。
今回の論文は「尿所見のある生後29−60日の発熱は、髄液検査をしなくてよいか?」を解析した研究です。
要点
・生後29−60日の見た目がぐったりしていない早期乳児発熱で、尿検査が陽性でも、細菌性髄膜炎の頻度は下がらない。つまり、尿検査の結果だけで、髄液検査の有無を決めてはいけない。
Prevalence of Bacterial Meningitis Among Febrile Infants Aged 29-60 Days With Positive Urinalysis Results
A Systematic Review and Meta-analysis
小児におけるセフトリアキソンの副作用
セフトリアキソンは、第3世代セファロスポリンとうカテゴリーの抗菌薬です。市中肺炎、尿路感染、髄膜炎など、幅広い感染症に使用できる抗菌薬で、かつ1日1回投与で済むので、感染症診療には非常に重要な薬剤です。
一方、新生児では核黄疸のリスクになるため、使用が禁忌です。小児科では、セフォタキシムのほうが好んで使われます。夜間や早朝の投与がなくなるだけで、入院中のお子さんと付き添いの保護者のQOLが上昇すると思います。
しかし、セフトリアキソンには特有の副作用があり、まとめて知っておく必要があるので、まとめました。
要点
・胃腸症状(下痢)の頻度は高い (37%)、ついで、胆肝膵の障害 (24%)が多い。
・重篤な副作用は、胆道偽胆石症 (biliary pseudolithiasis)と溶血性貧血。
・溶血性貧血は、鎌状赤血球症では致死的になることがある。