結核(Tuberculosis)とは | 公益財団法人結核予防会結核研究所
活動性肺結核(排菌している状態)の妊婦から生まれた児の管理方針についてまとめました。(UptodateのTuberculosis in pregnancyからです)
一番のポイントは、ツ反陰性でも、乳児結核は重症になりやすく、治療が必要であるということかと思います。
要約
Case 1: 母体と児の双方が活動性肺結核(先天性結核の可能性もあるが、これは非常に稀である)であれば、両方とも治療を開始すべきである。治療へのアドヒアランスが確保できれば、母児分離の必要はない。感染性がある期間は、母親はマスクを着用するべきである。
Case 2: 母親が活動性の肺結核で、児のツベルクリン反応が陽性(活動性の証拠がない場合)の場合は、母親は活動性結核、乳児は潜伏性結核の治療を行うべきである。治療へのアドヒアランスが確保できれば、母児分離の必要はない。感染性がある期間は、母親はマスクを着用するべきである。
Case 3: 母親が活動性の肺結核で、児が活動性結核または潜在性結核の証拠がない場合(児の症状・検査異常がなく、ツベルクリン反応陰性の時)は、母親は活動性結核に対する治療を行い、児は(結核感染の証拠はないが)潜伏性結核の治療を3~4ヶ月間行うべきである。治療へのアドヒアランスが確保できれば、母児分離の必要はない。感染性がある期間は、母親はマスクを着用するべきである。3~4ヵ月間の治療後、乳児に2度目のツベルクリン反応を実施するべきである。母親が薬剤感受性結核であり、治療を継続している場合は、この時点で少なくとも10週間は感染性がない状態になっている(乳児が結核に曝露していないこと)はずである。
・2度目のツベルクリン反応で陽性が出た場合は、活動性結核の再評価を受けるべきである。乳児は、再評価の結果に基づいて、潜伏結核または活動性結核のいずれかの治療を受けるべきである。治療へのアドヒアランスが確保できれば、母児分離の必要はない。
母親がまだ感染力を有している場合は、専門家の相談を受けながら、母子ともにさらなる精査が必要である。
妊娠中のBCG(Bacille Calmette-Guérin)ワクチン接種は生ワクチンであるため、結核を予防する効果はないので、接種しない。薬剤耐性結核における母児の感染制御の問題は専門家の相談が必要である。
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