小児感染症科医のお勉強ノート

小児感染症を専門に診療しています。論文や病気のまとめを紹介します。

どうしてもルートが取れない時、筋注できる抗菌薬

 重い基礎疾患を有する患者さんの中には、血管確保が難しく、どうしても末梢ラインが取れないことがあります。

 経口抗菌薬では治療が難しい細菌感染症だけど、どーしてもルートが取れない!!という時に、使える方法が抗菌薬の筋肉内注射(筋注)です。

 ネルソン小児感染症ガイドと添付文書で筋注ができる抗菌薬を調べてみました。そのうち、保険適応があるものと無いもので分けてリストにしました。

 

 筋注1日3回となると、当直医にも筋注をお願いする必要が出てくると思います。

原則、1日1回のものを選びたいですが、日本ではセフトリアキソン筋注の保険適応が無いのが痛いです。

 先発薬は筋注適応があっても、後発薬には無いなど、注意が必要なものもあります。

 

 個人的には、尿路感染にアミカシン筋注はよく使っています。

 
 
保険適応あり
保険適応なし
1日1回
投与可能
アミカシン
ゲンタマイシン
アルベカシン
トブラマイシン
 
セフトリアキソン
1日複数回
投与
イミペネム/シラスタチン
(チエナム筋注用)
 12歳未満は禁忌
セフメタゾール
(セフメタゾン筋注用)
セファメジンα筋注用)
セフォタキシム
セフォチアム
パンスポリン筋注用)
ピペラシリン
アンピシリン・クロキサシリン
(ビクシリンS)
アザクタム
クリンダマイシン
セフタジジム
アンピシリン
アンピシリン・スルバクタム
セフェピム
コリスチン