小児感染症科医のお勉強ノート

群馬県立小児医療センターで感染症を専門に診療しています。論文や病気のまとめを紹介します。

小児の抗菌薬の投与量を決めるアプリ

 感染症に対して抗菌薬を使用する時には、「標準的な投与量を標準的な間隔」で投与する必要があります。しかし、標準的な使用方法は、添付文書からは得られません
 
 小児感染症科医として勤務する中で、よく使うアプリをご紹介します。
 私は、白衣のポケットに本を入れると、肩こりがひどくなるので、ポケットには本を入れません。全部iPhoneのアプリに入れています。
 
 抗菌薬に限らず薬剤の用量は忘れても良い
 「常に正しい用量を調べられるようにしておけば良い」と考えています。
 
 
1.UpToDate
 言わずとしれた電子教科書の横綱。年会費は相当かかりますが、抗菌薬の投与量以外にも、疾患についても記載が豊富。また、薬物相互作用も確認できる機能もあるので、頻用しています。個人契約していると、病棟で調べものをする時に、ものすごく役立ちます。研修医は安く契約できるので、おすすめです。
 亀田総合病院では、すべての電子カルテ端末で読めたので、今考えると、すごい病院だったと思います。

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2.Nelson Pediatric Abx

 最もスタンダードな小児の抗菌薬のポケットマニュアルです。日本語の訳本が出ていますので、紙の本でも良いかもしれません。
 ただ、投与量の幅が結構大きくて、かえって投与量を迷うことも。疾患による抗菌薬選択の記載は、最低限という感じ。
 小児感染症科医で、持っていないと、まあまあ恥ずかしい?

 

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3.Sanford Guide Antimicrobial
  言わずとしれたサンフォード(熱病)です。毎年アップデートするのが、正しい臨床医らしいですが、数年に1回しかしてません。成人も小児も診察する場合には、一番使い勝手が良いかもしれません。
 

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4.Johns Hopkins Antibiotic Guide
 成人の感染症を診療している時には、非常によく使っていました。セフメタゾールが掲載されていたり、結構しぶいです。小児の記載が少ないですが、十分使えます。
 時々、18時間毎投与とか、無理ゲーを言ってきます。

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 主要な抗菌薬の投与量を覚えておくことは大切ですが、いつでも投与量を参照できるようにアクセスを確保しておくことの方が重要と思います。

「覚えるよりも、忘れても困らない環境を作る」