あまり結核を見慣れない方にとっては、「結核とがんって全然違う病気でしょ!」って感じると思います。しかし、結核はgreat imitatorで、臨床像が多彩で、典型的でない場合には、診断が難しい病気です。
がんの中でもリンパ腫が多いのは、リンパ節腫脹などが目立ちやすいため、結核性リンパ節炎と診断されたケースが多いことを示唆します。
Childhood Cancers Misdiagnosed as Tuberculosis in a High Tuberculosis Burden Setting
Pediatr Infect Dis J. 2021;40:1076.
背景
方法
この後方視的研究では、2008年から2018年までに、南アフリカのTygerberg Hospital Childhood Tumor Registryに登録された小児がん患者における結核の診断について調査した。がん診断時に抗結核治療(ATT)を受けていた小児、またはがん診断後1か月以内に結核と診断された小児について調査した。
結果
539名の小児患者のうち27名(5%)に、がん診断前にATTが開始されていた。がんの診断前に、肺結核と肺外結核とも診断されていた。がん診断時にATTを行っていた27名のうち、22名(81%)は結核患者との接触歴があり、12名中6名(50%)はツベルクリン反応が陽性であった。がん診断時、16/27名(59%)は、胸部X線写真の変化が結核によるもの解釈され、11/27名(41%)は専門家の読影で結核の可能性が高いと判断された。結核の診断からがんの診断のまでの期間の中央値は25日(四分位範囲3.5-58)であった。小児がん患者539名のうち、204名(38%)ががんで死亡した。がん診断時にATTを受けていたでは、18/30名(60%)が死亡した。(オッズ比2.6、95%信頼区間:1.2-5.4、P=0.012)
結論
本文から抜粋した表
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すべてのがん患者
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がん診断時にATTを行っていた患者
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p値
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年齢中央値
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4.78
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5.48
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0.779
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女性
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45%
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56%
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0.245
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HIV陽性者
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8%
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20%
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0.023
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死亡率
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38%
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63%
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0.007
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がんの種類
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血液悪性腫瘍
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223/539 (41%)
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16/27 (59%)
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0.053
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161/223 (72%)
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8/16 (50%)
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0.978
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リンパ腫
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62/223 (28%)
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8/16 (50%)
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0.003
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固形腫瘍
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316/539 (59%)
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11/27 (41%)
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0.053
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脳腫瘍
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112/316 (39%)
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6/11 (55%)
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0.958
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肉腫
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73/316 (23%)
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3/11 (27%)
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0.705
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30/316 (9%)
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1/11 (9%)
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0.665
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腎芽腫
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44/316 (14%)
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0/11 (0%)
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0.112
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