小児感染症科医のお勉強ノート

群馬県立小児医療センターで感染症を専門に診療しています。論文や病気のまとめを紹介します。

(やはり)マイコプラズマは、年長児の肺炎入院の原因の第1位

Mycoplasma pneumoniae Among Children Hospitalized With Community-acquired Pneumonia 
Clin Infect Dis 2019;68:5-12
 
米国の18歳<の市中肺炎の入院症例でマイコプラズマの関与を検討した研究です。
2254名が市中肺炎で入院した。マイコプラズマPCRを行い、182名(8%)がマイコプラズマ陽性であった。年齢の中央値は7歳。12%が集中治療を要し、26%が胸水貯留を認めた。死亡例は無かった。マクロライド耐性株は4%のみであった。28%の症例で、マイコプラズマ以外の病原菌が同時に見つかり、共感染が考えられた。マイコプラズマ陽性となる因子は、年齢(10-17歳: aOR 10.7, 5-9歳: aOR 6.4)、入院前5日以内の抗菌薬投与歴(aOR 2.3)、共感染(aOR 6.4)であった。
 マイコプラズマ肺炎は、通常軽症と考えられるが、5歳以上の市中肺炎の入院例の中で最も頻度の高い病原体であり、1/4の症例で共感染が起きている。集中治療を要する重症例もある。
 
 通常の肺炎と比較して、ラ音あり、頭痛あり、咽頭痛ありという所見は、マイコプラズマの感染の可能性を高くする。一方、喘鳴がある、鼻汁がある、胸痛があるという所見は、マイコプラズマの可能性を下げる。