小児感染症科医のお勉強ノート

小児感染症を専門に診療しています。論文や病気のまとめを紹介します。

Lactobacillus reuteriは、小児下痢症に使用しても、有意な臨床症状の改善を認めない

Lack of Efficacy of Lactobacillus reuteri DSM 17938 for the Treatment of Acute Gastroenteritis
Pediatr Infect Dis J. 2019;38:e237 
Lactobacillus reuteriは、5歳未満の小児下痢症に対して使用しても、有意な臨床症状の改善を認めない
ポーランドでの研究です。発症5日以内の小児下痢症に対して、Lactobacillus reuteri製剤とプラセボを投与するランダム化比較試験です。
対象患者の約4割はロタウイルス、約半数は原因微生物不明です。
下痢の日数(58.7 vs. 66.9時間, p=0.6)や点滴が必要な割合(100% vs. 93.6%, p=0.2)などの臨床的なアウトカムは変わらず。わずかに入院期間が短縮する可能性があるかもしれないとのことです(p=.048)。この点に関しては、多くの項目を2次解析した結果、たまたま有意差が出たような印象を持ちます。
 
Lactobacillus reuteriは、チチヤス低糖ヨーグルトの発酵に利用しているそうです。