小児感染症科医のお勉強ノート

群馬県立小児医療センターで感染症を専門に診療しています。論文や病気のまとめを紹介します。

オランダのNICUでは、抗菌薬の使用量と種類は、施設間のばらつきが大きい

Variation in antibiotic use in neonatal intensive care units in the Netherlands

Liem TB, et al. J Antimicrob Chemother. 2010; 65(6): 1270-5.
 
オランダの全NICU(10箇所)の抗菌薬の使用実態を調べた研究です。2005年の1年間の使用量を解析した。総使用量は、defined daily doses (DDD) per 100入院で表した。また、NICU内で使用している感染症に対するガイドラインを確認した。
DDDの量により抗菌薬を順位付けし、総投与量の90%を占める抗菌薬の数をDU90%とし、NICU内で使用する抗菌薬の種類の総数をDU100%とした。
ASPの観点から、施設内の抗菌薬は少ないほうが良いので、DU90%もDU100%も少ないほうが良い)
 
結果
年間入院数位は278−585症例。出生体重1000g以下の超低出生体重児は、6-15%。Sepsisの患者の割合は、10-24%で、ばらつきが大きかった。抗菌薬使用量DDDは、129.9-360.2 DDD/100入院であった。平均は222.1であった。
DU100%は9-24。DU90%の平均は6.1で、3-10の範囲に分布した。ガイドラインによる抗菌薬使用をされた割合は、26%から98%になった。
 
考察
DU90%は、施設の抗菌薬処方の質を計測する重要なツールである。本研究では3-10(平均6.1)であったが、これは他国と比較して少ない。他の報告では、中国は16-20、ロシアは8、クロアチアは11であった。
後期敗血症の抗菌薬使用のばらつきが大きかった。
 
当院は、使用量に関しては、比較できませんが、使用実態としては、アンピシリン>アミノグリコシド>セフメタゾールorセフォタキシムという順なので、Eに近い感じがします。オランダは、耐性菌も少なく、抗菌薬適正使用の先進国ですが、意外とNICUの抗菌薬使用の標準化が進んでいないのは、驚きでした。
 
 

f:id:PedsID:20190823210454p:plain

f:id:PedsID:20190823210512p:plain