Childcare Attendance and Academic Achievement at Age 16 Years
JAMA Pediatr. 2021. Jun 7.
小児の誤嚥性肺炎は、神経疾患などの基礎疾患がある子が大半です。いわゆる「寝たきり」のため自覚症状の問診は困難(ほぼ無理)で、他覚的所見も取ることが難しいです。そのため、ついつい長期間の抗菌薬投与が多くなります。
今回紹介するのは、米国の小児病院で行われた市中肺炎(CAP)と誤嚥性肺炎の患者特性や入院の特徴の比較研究です。予想されたとおり、基礎疾患がある子に多く、入院期間が長く・費用が高く、より重症化しやすいです。
一方で、抗菌薬適正使用については改善の余地があるデータかと思いました。
要点
・小児の誤嚥性肺炎は、複雑な慢性疾患を有する医療的ケア児に多い
・入院期間が長い、費用が高い、ICU入院率が高い、再入院率が高い。
AAPの副鼻腔炎のガイドラインのから、急性副鼻腔炎の合併症をまとめました。
ガイドライン本文はコチラです。
Clinical practice guideline for the diagnosis and management of acute bacterial sinusitis in children aged 1 to 18 years
Pediatrics. 2013;132:e262.
急性副鼻腔炎の合併症の発生部位は、
「頭」と「眼」である。
・頭の合併症(intracranial complications):前頭洞炎からの波及が多い
Pott's puffy tumor(前頭骨の骨髄炎で前額部が腫脹する)
Pott's puffy tumorの国内報告例(小児感染免疫 2006;18:266)
・眼の合併症(orbital complications):ほとんどが篩骨洞炎から波及する
両者の違いはコチラも御覧ください。
眼窩蜂窩織炎と眼科周囲蜂窩織炎は似ているけど全然違う - 小児感染症科医のお勉強ノート
先天性サイトメガロウイルス(cCMV)感染症は、胎児を妊娠中の母親がサイトメガロウイルス(CMV)に感染して、子宮内の胎児にCMVのが感染する疾患です。
脳内の石灰化や、聴力障害、運動発達遅延などの重篤な後遺症を残します。出生後に、治療をすることで聴力予後の改善が期待できることから、適切なスクリーニング検査ができると良いのですが、広まっていないのが現状です。
また、出生後しばらくしてCMV感染が判明した時に、それが先天性なのか後天性なのか区別することは、その子の予後にとって重要です。
先天性か後天性の判断をするために、新生児スクリーニングで採取した乾燥ろ紙血を使ったり、日本では臍帯(お母さんが産院からもらうへその緒)を一部頂いて、CMVのPCR検査を行います。
これまで、乾燥ろ紙血の検査感度はあまり良くない(つまり陰性でもcCMVを否定できない)と言われていたのですが、今回の研究では技術的な進歩もあり、感度が良くなっていますよという報告です。
Sensitivity of Dried Blood Spot Testing for Detection of Congenital Cytomegalovirus Infection
JAMA Pediatrics. 2021; 175:e205441.
生後すぐのスクリーニング検査としては、尿が一番良く、次が唾液であることに違いはないのですが、生後時間が経過してから、CMV感染が分かった時に、乾燥ろ紙血を使用すると、かなり良い感度でcCMV感染の診断ができることが分かります。