小児感染症科医のお勉強ノート

群馬県立小児医療センターで感染症を専門に診療しています。論文や病気のまとめを紹介します。

アルボウイルス、例外はどれ?

 アルボウイルスとは、節足動物媒介ウイルス arthropodborne viruses のことで、100種類以上のウイルスがヒトに感染することが知られています。

 節足動物とは、蚊などのことです。アルボウイルスは、蚊、ダニ、サシチョウバエ、ヌカカなどがヒトを刺すことでヒトに感染します。

 代表的なウイルスは、チクングニア、デング、ジカ、東部ウマ脳炎日本脳炎、ダニ媒介脳炎、黄熱などがあります。(感染症に興味がないと、日本脳炎以外は、あまり聞いたことがないかもしれません。)
 
 病型としては、以下の3種類があります。
・全身性発熱性疾患:チクングニア熱など
・神経浸潤性疾患:ウエストナイル熱、日本脳炎など
・出血熱:デング出血熱、黄熱など
 
 ウイルスは、もともと自然界の鳥類・小型哺乳類を宿主としています。宿主から、節足動物を介してヒトに感染します。(ヒトは偶然に感染する行き止まりの宿主になります。)
 例えば、日本脳炎ウイルスは、ブタが宿主です。ブタが、蚊に刺されて、その蚊がヒトを刺す事により、ヒトが感染します。日本脳炎ウイルスに感染したヒトを蚊が刺しても、次のヒトに感染することはありません。
 しかし、例外はあります。デング、黄熱、チクングニア、ジカウイルスです。これは感染したヒト→節足動物→ヒトのサイクルがあります。そのため、これらの患者を看護するヒトは、同じ部屋で蚊に刺されないよう注意する必要があります。