トキソプラズマは、Toxoplasma gondiiという原虫が原因の感染症です。日本でも5−10%の人が抗体を持っています。特に妊娠中に罹患すると、胎児が先天性トキソプラズマ症になり、重い後遺症が残ることがあります。
終宿主はネコで、ネコの便などに排泄されたオーシストを、ヒトが誤って摂取することが感染経路です。それ以外にも中間宿主の動物の筋肉内に形成されたシストを摂取することでも感染し、生肉の摂取はリスクになります。
これまで、トキソプラズマは、「ペットにネコ」や「生焼けの肉」の摂取というイメージが有りましたが、なんと海洋生物にもトキソプラズマがいます。
Toxoplasma gondii Infection in the United States, 2011-2014. Am J Trop Med Hyg. 2018 Feb;98(2):551-557.
そして、気になるのが、クジラの生食による、トキソプラズマ症が報告されています。商業捕鯨が再開されて、新鮮なクジラ肉が流通するようになった結果ということですが、気をつけたいニュースです。