小児感染症科医のお勉強ノート

群馬県立小児医療センターで感染症を専門に診療しています。論文や病気のまとめを紹介します。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の小児例が重症化する割合は0.6%

Epidemiological Characteristics of 2143 Pediatric Patients With 2019 Coronavirus Disease in China.
Dong Y, et al. Pediatrics. 2020 (Pre-publication)
 
中国CDCに報告された2143例の小児の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を対象とした研究です。疫学的特徴と臨床的な特徴が報告されています。
 
診断確定例は、731例(34.1%)。診断疑い例は1412例(65.9%)でした。年齢の中央値は7歳、1213例(56.6%)は男児でした。90%以上の症例は、無症状・軽症・中等症でした。発症から診断までの日数の中央値は2日間(範囲 0-42日)でした。
 
 注目すべきは、critical (ICUでの管理が必要なARDSなどの合併例)が12例で、死亡は1例のみである点と考えられます。これまで言われていましたが、小児においては重症例が非常に少ないことが、明らかになりました。Severeの症例の定義はSpO2 92%未満、呼吸困難、チアノーゼを伴う肺炎という定義がされ、状態によっては十分一般病棟でみられるレベルです。moderate以下は、外来でも診療できるレベルです。
 となると、100名罹患しても、重症度としては、94名は外来でみられるレベル、6名が入院して、そのうち1名がPICUで治療が必要かどうかということになります。
 一方で、無症状やただの軽い風邪の中にCOVID-19の小児患者が多く含まれ、家族や周りの高齢者が重症化するという伝播が起きることも考えられます。
(しかし、これは季節性インフルエンザでも同じ構図かと思います。)
 

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