小児感染症科医のお勉強ノート

群馬県立小児医療センターで感染症を専門に診療しています。論文や病気のまとめを紹介します。

病棟の改築工事ではセレウス菌アウトブレイクに注意が必要

A Cluster of Bacillus cereus Infections in the Neonatal Intensive Care Unit
Pediatr Infect Dis J. 2019;38:e301
 
 NICUにおけるBacillus cereus感染症アウトブレイクの原因は隣接する病棟の工事だった
 
B. cereusは、免疫不全者に重篤な菌血症(時に脳膿瘍など)を起こします。時々、院内でアウトブレイクすることがあります。おしぼりやタオルなど患者が利用するリネン類が汚染されていることが原因だったという報告もあります。他に、アミノ酸入り輸液が、B. cereusのカテーテル関連血流感染症に関与していることを明らかにした研究もあります。
 
 今回の報告はイスラエルからです。NICU内でB. cereus感染症アウトブレイクが発生しました。原因としては、隣接する産婦人科病棟のリニューアル工事で、環境中のB. cereus菌が空気中に飛散し、NICU内に広がったということです。厳密にNICUと工事スペースを分離して、アウトブレイクは収束しました。このような形式のアウトブレイクは、血液腫瘍科病棟のアスペルギルスのアウトブレイクで知られていますが、Bacillusでも起きることは知りませんでした。
 
 工事を予定されている病院では、免疫不全者がいる病棟を汚染することがないように、細心の注意が必要です。
 

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