小児感染症科医のお勉強ノート

群馬県立小児医療センターで感染症を専門に診療しています。論文や病気のまとめを紹介します。

免疫抑制薬使用中に帯状疱疹ワクチンを接種しても、帯状疱疹発症のリスクは高くない

免疫抑制薬使用中に帯状疱疹ワクチンを接種しても、帯状疱疹発症のリスクは高くない
Risk of Herpes Zoster and Disseminated Varicella Zoster in Patients Taking Immunosuppressant Drugs at the Time of Zoster Vaccination
Mayo Clin Proc. 2015;90(7):865
 
 成人の免疫抑制薬使用者に帯状疱疹ワクチン(zoster vaccine)を接種することで生じる帯状疱疹のリスクを検討した研究です。
 免疫抑制薬を使用中、または過去(365日以内)に使用していた患者を対象にしました。播種性帯状疱疹帯状疱疹の発症を接種後42日観察し、ワクチン接種がリスクになるかを検討しました。
 14,554名が接種しました。4826名が免疫抑制薬使用中、9728名が1年以内に使用歴がありました。多くは低用量のステロイドでした。播種性帯状疱疹を発症した患者はおらず、免疫抑制薬使用中では、帯状疱疹の発症は増加する(adjusted odds ratio, 2.99; 95% CI, 1.58-5.70)
 実際には、免疫抑制薬使用中が25/4826例(0.5%)、1年以内の使用歴で17/9728例(0.2%)が帯状疱疹を発症しています。OR 2.99というとかなり大きな差に感じますが、実際の人数差は対して無いように考えます。
 免疫抑制薬使用中の接種も今後メリットとデメリットを考慮して進めてゆくべきかもしれません。
 

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