小児感染症科医のお勉強ノート

小児感染症を専門に診療しています。論文や病気のまとめを紹介します。

原因不明の肝不全では、HHV-6が検出される割合が高く、病態に関連する可能性がある

J Infect Dis. 2018 Nov 10. doi: 10.1093/infdis/jiy644. [Epub ahead of print]
Evaluating for human herpesvirus 6 in the liver explants of children with liver failure of unknownetiology.
 
 原因不明の肝不全(LFUE)は、成人より小児で多い。LFUEでは、肝移植が必要になる割合は75%を超える。ヒトヘルペスウイルス6 (HHV-6)はLFUEに関連しているかもしれないと考えられていたが、これまで研究が限られていた。
 LFUEで肝移植となった小児症例51例と、年齢をマッチさせた代謝異常症などで肝移植を行ったコントロールを対象にして、摘出した肝臓のホルマリン固定標本からHHV-6のDNAを検出した。
 HHV-6が検出された症例は、LFUEの66.7%、コントロールの37.3%(p=.005)。陽性になったコピー数もLFUEとコントロールでは、LFUEの方が多かった。特に3歳未満の症例に限定すると、HHV-6陽性率はLFUEで48.1%で、コントロールで7.4%(p=.0009)であった。
 結論としては、HHV-6が検出される割合はLFUEで高く、DNAコピー数も多い。HHV-6は、小児のLFUEにおいて評価されるべきである。