IgG deficiency and expansion of CTG repeats in myotonic dystrophy
Kaminsky P, et al. Clin Neurol Neurosurg. 2011; 113(6): 464-8.
目的:筋緊張性ジストロフィー(DM1)においてCTGリピート回数は、多くの遺伝子の発現を制御する。DM1患者において、多くの臨床症状を説明すると考えられている。IgG低下(低ガンマグロブリン血症)は、DM1患者においてよく見られる症状であり、IgGのFcRnに関連する異化亢進が関連していると考えられている。筆者らは、IgGが異化される速度とCTGリピート回数とに関連があると、仮設を立て、検証した。
方法:血清免疫グロブリン値、末梢血のリンパ球サブセット、CTGリピート数を52名のDM1患者で検討した。
結果:血清IgGとIgG1値は、患者の54%、72%で正常下限以下に低下していた。CTGリピート数が増えると、IgG、IgG1値の低下および、CD3陽性、CD3/CD8陽性リンパ球の低下に有意に関連した。
結論:IgGの異化速度とCTGリピート数には正の相関が認められ、免疫反応にも影響している可能性がある。
今回、検討した患者は、52名のフランス人患者。31名が助成、21名が男性であった。平均年齢は42.2±13.0歳、年齢の派には18-67歳であった。60名の健常者をコントロールにおいた。
血清IgGの平均値は、7.16±2.41g/L vs. 10.25±1.86g/Lと、DM1患者で有意に低く、53.8%の患者で正常下限以下であった。IgAおよびIgMの値は、コントロールと差がなかった。モノクローナルパターンが3名の患者に認められ、免疫グロブリンの多様性が乏しい所見が1名の患者で認められた。
IgGサブクラスである血清IgG1の平均値は、3.25±1.29g/L vs. 6.14±1.73g/Lと、DM1患者で有意に低く、72.0%の患者で正常下限以下であった。 IgG2, IgG4では差がなかった。IgG3は軽度低下していた。