小児感染症科医のお勉強ノート

群馬県立小児医療センターで感染症を専門に診療しています。論文や病気のまとめを紹介します。

外科手術の前夜と当日朝に歯科医師が歯磨きをすると、術後肺炎が減る

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The impact of tooth brushing versus tooth brushing and chlorhexidine application to avoid postoperative pneumonia in children.

González-Rubio Aguilar P, et al. Am J Infect Control. 2019 Jul 16. pii: S0196-6553(19)30579-6. 
 
メキシコからの報告です。小児の術後肺炎を予防するために、以下の3つの時期で発生率の検討を行いました。
ベースライン:保護者に歯磨きをするように指導。必要なら歯科医師の診察を受ける。(n=995)
Group 1:レジデントの歯科医師が患者の口腔内を診察し、水で正しい歯磨きを行う。歯磨きは、手術前日のよると当日の朝の2回。 (n=830)
Group 2:レジデントの歯科医師が患者の口腔内を診察し、手術前日に保護者の歯ブラシを指導する。手術当日朝に、0.12%クロルヘキシジンスプレーを使い口腔内を除菌する(朝は歯磨きをしない)。 (n=710)
 
 この3つの期間に、18例の術後肺炎が生じた(合計では7.1件/1000手術)。ベースライン(10件/1000手術)と比較し、Group 1では2.4/1000手術、Group 2では8.4/1000手術であり、Group 1で有意に術後肺炎が少なかった。
 心臓血管外科手術と脳神経外科手術が、術後肺炎を起こすリスクファクターであった。
 
 結論
 クロルヘキシジン除菌スプレーは術後肺炎を減らさず、小児歯科医師による、術前の2回の歯磨きが術後肺炎の予防に有効である。