小児感染症科医のお勉強ノート

小児感染症を専門に診療しています。論文や病気のまとめを紹介します。

小児の好酸球増多を見たら…

 好酸球は、アレルギー疾患や寄生虫疾患で上昇することが知られています。しかし、日本では小児の寄生虫を見ることは少なく、ほとんどがアレルギー疾患での上昇だと思います。
 その他の原因については、あまり考えたことがなかったので、大規模なまとめの論文を読みました。寄生虫疾患では、好酸球の増加が高度になることが多く、勉強になりました。
 
要点
好酸球増多の原因は、アレルギー疾患が多いが、原因不明も多い(米国)。
・高度増多(>4500)では、アレルギー疾患の比率は低下し、感染症寄生虫疾患)や好酸球性疾患(好酸球腸炎など)が増加する。
 
Eosinophilia: A Review and Multiyear Investigation into Etiologies.
J Pediatr. 2023 Feb;253:232-237.e1.
 
目的
 小児における末梢血中の好酸球増多の病因を明らかにし、外来小児における好酸球増多の診断と管理の指針となる診断アルゴリズムを開発すること。
 
方法
 2011年1月1日から2019年12月31日の間に、ヒューストンのTexas Children's Hospitalに末梢血中の好酸球増多で来院した小児を対象に、後方視的に検討と行った。好酸球増多は、軽度(絶対好酸球数[AEC]500-1500/μL)、中等度(AEC 1500-4500/μL)、高度(AEC >4500/μL)に分類した。
 
結果
 18歳未満の患者771名が対象となった。好酸球増多の原因として最も多かったのは、アレルギー(n = 357; 46%)であった。アトピー(n = 296)と薬剤への反応(n = 54)が、最も多いアレルギーの原因であった。次いで、原因不明(n=274;36%)、感染症(n=72;9%)、好酸球性疾患(n=47;6%)であった。原因不明の患者(n = 202; 74%)の多くは、フォローアップ検査が十分に行われていなかった。
 
結論
 小児の好酸球増多の病因に関する情報やデータが増えれば、原因の特定に役立つと考えられる。本研究は、プライマリケア小児科医の指針となる診断アルゴリズムを含む、好酸球増多の評価に関する重要な情報となる。

 

原因
症例数
中等度
1500-4500
高度
>4500
アレルギー
357
121
26
自己免疫
6
3
1
免疫不全
9
6
1
 蠕虫
 原虫
71
48
18
32
21
6
15?
15
2
好酸球性疾患
(好酸球性消化管疾患)
47
(40)
18
(15)
11
(8)
悪性腫瘍
6
2
3
不明
274
90
21

 

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov