ウイルス感染症で関節痛・関節炎を伴う症例をしばしば経験します。
どのようなウイルスが関節炎を起こすのか、簡単な特徴もまとめました。
(輸入感染症を含め日本で見る可能性がそれなりにあるものは太字にしました。)
・エンテロウイルス (コクサッキーウイルス、エコーウイルス):
低ガンマグロブリン血症がリスクとなる
・肝炎ウイルス (A型、B型、C型):反応性関節炎の形が多い
・パルボウイルスB19:
膝関節が最も多い、伝染性紅斑を伴うことも、伴わないこともある。小児例の8%、成人例の60%で関節症状あり。関節症状は、女性に多い。多関節炎でPIP関節、MP関節が多い。
膝関節が最も多い、伝染性紅斑を伴うことも、伴わないこともある。小児例の8%、成人例の60%で関節症状あり。関節症状は、女性に多い。多関節炎でPIP関節、MP関節が多い。
・風疹ウイルス:
風疹に罹患した女性の30%、男性の6%に関節症状あり。ワクチンでも関節症状が見られることがある。接種後7−21日で発症する。
・アルファウイルス:
・Ross Riverウイルス、Barman Forestウイルス:オーストラリア
・Chikungunyaウイルス:東南アジア、アフリカ・西太平洋
・Sindbisウイルス、 Sindhis-likeウイルス
・Mayaroウイルス
・O’nyong'nyong
・Igbo-Oraウイルス
・フラビウイルス:
・Dengueウイルス
・Zikaウイルス
・ムンプスウイルス:耳下腺炎の発症後に見られる。移動性の多関節炎。
・アデノウイルス:関節炎の合併は少ない。反復性関節炎に関連しているかも。
・ヘルペスウイルス
・Epstein-Barrウイルス:大関節が多い。
・水痘ウイルス:稀であるが、水疱が出現してから数日後に関節炎を発症する。膝の単関節炎が最も多い。
・単純ヘルペスウイルス:少ない。
・サイトメガロウイルス:免疫抑制患者で、重症のCMVによる多関節炎の報告がある。
・HIV:2週間程度持続する