Chronological changes in strawberry tongue in toxic shock syndrome toxin‐1–mediated Exanthematous Disease
Shimizu A, et al.
手前味噌で恐縮です。
川崎病や溶連菌感染症など、イチゴ舌を呈する疾患は多くありますが、「イチゴ舌」の定義って何?ってずっと思っていました。川崎病でも、イチゴ舌の所見があるかは、担当医によって判断が分かれることも結構ありました。
イチゴ舌に関する考察(https://pedsid.hatenadiary.com/entry/2019/11/25/211653)を行った論文を読み、イチゴ舌は2つのフェーズで理解するのが良いと分かりました。
1.White strawberry tongue: 炎症を起こし過形成となった茸状乳頭がイチゴの種に見える。角化した糸状乳頭が白いコーティングにみえ、イチゴの種が白い実の中にあるように見える。
2.Red strawberry tongue: コーティングの糸状乳頭が脱落し、赤いイチゴの実の中に、プリプリとした種(茸状乳頭)が見える。まるで、熟れたイチゴのように見える。
この「白いイチゴ→赤いイチゴ→正常」になるという過程は、書いてあるものの、これまで論文になっていなかったので、この論文で経時的なイチゴ舌の変化を撮影して報告しました。トキシックショック症候群の診断基準は満たさないものの、TSST-1産生MRSAが火傷の受傷部位から検出されました。病態としては、TSST-1が関与する感染症と考えられます。
メッセージは、「イチゴ舌は、白から赤に熟れてゆく」です。