ニューヨークでCovid-19罹患後に川崎病に類似した症状を呈するトキシックショック症候群の報告が増加している。コロナウイルス感染後の免疫異常が背景にあるのでは無いかと推定されているが、現時点では学術誌には掲載されていない。しかし、別のコロナウイルス(HCoV-NH)感染症と川崎病の関係を示唆する論文が2005年に発表されている。川崎病の全ての原因とは言えないだろうが、Covid-19と川崎病が関連するとい現象はあっても良いと思います。
Association between a Novel Human Coronavirus and Kawasaki Disease
J Infect Dis. 2005;191:499-502.
2001年11月から2004年5月に、5歳未満の川崎病の児を対象にした。そのうち、気道検体が保存されている症例を対象とした。対照群として、同時期に同じ年齢の小児を用いた。
結果は、川崎病患者11名の気道検体が保存されていた。平均月齢は24.4ヶ月。対照群は23.7ヶ月であった。この内、川崎病患者の8/11名(72.7%)、対照群1名(4.5%)がRT-PCR検査でHCoV-NHが陽性であった。オッズ比は16.0 [95% CI, 3.4-74.4]であった。
11例中10例が、古典的な川崎病の診断基準を満たし、そのうちの8名がHCoV-NH陽性であった。発熱から検体が取られるまでの期間の中央値は5日(範囲 4-13日)であった。川崎病患者の7名(63.6%)と対照群19名(86.4%)に上気道症状があった。
この症例対照研究では、HCoV-NHと川崎病に関連があることを示唆している。