小児感染症科医のお勉強ノート

群馬県立小児医療センターで感染症を専門に診療しています。論文や病気のまとめを紹介します。

新生児の重症Covid-19症例

主に重症患者を担当している小児病院はこのようなケースに対応する必要が出てくるのかもしれません。
 
Late-Onset Neonatal Sepsis in a Patient with Covid-19
N Engl J Med Apr 22, 2020. 無料アクセス可能
 
<症例報告>
【症例】生後3週間 男児
【現病歴】
受診2日前からの鼻閉と頻呼吸、哺乳低下が出現した。
【周産期歴】
母体は21歳、3G1P。
在胎36週で出生、GBS保菌のために分娩時に抗菌薬の投与を行った。
児は生直後に発熱があり、48時間抗菌薬投与を行った。
特に原因微生物は検出されず。
 
【入院時現症】
BT 36.1, HR 166, BP 89/63, RR 40, SpO2 87%
レントゲンで両側にすりガラス陰影と右上葉に浸潤影を認めた。
 
【入院後経過】
前医で、アンピシリンとゲンタマイシンを開始、酸素投与を行った。
当院に転院した。PICUで陰圧個室管理、飛沫・接触感染対策を開始。
気管内挿管を実施され、容量負荷を行った。
心エコーでは、先天性心疾患は認めず。
血液検査で、WBC 4000 (リンパ球 55%)、炎症反応上昇あり。
人工呼吸管理を開始。抗菌薬は、バンコマイシン、セフェピム、アンピシリンを開始。(48時間経過し、培養陰性のために抗菌薬は終了。)
Covid-19を考慮し、アジスロマイシンとヒドロキシクロロキンを開始。
入院2日目には、気胸が見られたが、呼吸状態は改善した。
PCRSARS-CoV-2が陽性となる。
入院9日目、酸素投与を終了。
 
小児では、Covid-19の重症化は少ないが、起きうる。しかし、通常のPICUのプロトコルで対応が可能であった。
 

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