小児感染症科医のお勉強ノート

群馬県立小児医療センターで感染症を専門に診療しています。論文や病気のまとめを紹介します。

片側性結膜炎+中耳炎はインフルエンザ桿菌によるconjunctivitis-otitis syndrome

Epidemiologic study of conjunctivitis-otitis syndrome
Pediatric Infect Dis J. 2005;24:731
 
 50年以上前にCoffeyらにより、中耳炎と化膿性結膜炎にHaemophilus influenzaeが関与しているということが認識された。その後、Bodorらが、conjunctivitis-otitis syndrome (COS)という概念を提唱し、片側性の中耳炎と結膜炎を呈する疾患の80%程度がH. influenzaeであると報告した。それ以来、あまりCOSの疫学的な検討はされてこなかった。
 
本研究は、2001−2003年の期間に、パリ周辺の小児科と耳鼻科医院で実施された。6−36ヶ月の小児が対象である。184医院が参加した。2901名の中耳炎患者の内、465名(16%)がCOSと診断された。57%が男児で、78%が生後21ヶ月未満であった。Hibワクチン接種率は81%であった。47%の患者が保育園通園していた。
 COS患者の内、眼脂の細菌培養は465名全員に実施された。中耳の培養(鼓膜切開または耳漏)は152名で採取された。培養陽性は、眼脂の419例、中耳液の73例であった。H. influenzaeが、両方のサンプルで最も検出率が高い菌であった。眼脂培養の89%(371例)、中耳液の66%であった。429のH. influenzae菌株のうち427例がnon-typableであった。パルスフィールドゲル電気泳動で中耳と眼脂からともにH. influenzaeが検出された21例を解析したところ、全例が一致した。
 
 COSの原因菌は、nontypable H. influenzaeが最多である。片側性の中耳炎+結膜炎を認めた場合には、H. influenzaeを想定した治療を検討する必要がある。
 
→急性中耳炎の第一選択は、アモキシシリンです。しかし、COSは、H. influenzaeが原因菌であることが多いため、BLNARも想定した初期治療を考えても良いかもしれません。
 

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