Management of laryngeal candidiasis: an evidence‑based approach for the otolaryngologist
Valente P, et al.
Eur Arch Otorhinolaryngol. 2020 Feb 7. PMID:32107617
喉頭カンジダ症(喉頭真菌症)は、糖尿病・悪性腫瘍などの免疫不全者などに発生することがあるが、免疫正常な人にはまれな病態と考えられている。主な症状は、発声障害、咽頭痛、嚥下障害などである。小児では、気道閉塞を来し、緊急の介入が必要なケースもある。まれな疾患であるため、まとまった臨床像の報告がないため、literature reviewを行った。症例報告29例、ケースシリーズ8例があり、合計118例の患者の臨床像をまとめた。
平均返礼は50.9歳、18歳以下は9例(7.6%)であった。患者の78%は女性であった。主な症状は、発声障害70.3%、嚥下痛19.5%、呼吸困難19.5%、嚥下障害11.9%であった。リスクとなる患者背景は、ステロイド吸入、胃食道逆流、タバコ、免疫抑制、抗菌薬使用等であった。
病変の部位は、声帯45.8%、喉頭35.6%、正声門上16.1%であった。
口腔内カンジダ症を認めたのは21.3%のみであった。診断方法は、生検による組織診断が21例、塗抹陽性が12例、培養陽性が23例であった。
治療は、抗菌薬投与のみが95.6%であった。一部で手術療法を行った。
選択された抗菌薬は、フルコナゾール55.2%、アムホテリシンB20.7%などであった。局所呂法として、ナイスタンやミコナゾールを併用している施設もあった。気道に問題があった症例は、10例(5例が気管内挿管、5例が気管切開)であった。抗菌薬の投与期間の平均は15.7日であった。92%の症例で完治したが、2例が再発、1例が死亡している。
臨床症状で特徴なのは、長期間続く発声障害、咽頭痛、嚥下障害などである。咳、息切れ、血痰などもよくみられる。口腔内にカンジダ病変がなくても、喉頭カンジダが存在するので注意が必要である。治療に関しては7−30日間と幅があるが、筆者らの考えでは2週間の経口フルコナゾール投与を行い、その後、再度評価を行い、治療反応により治療期間を延長するのが良いか決めることを提唱している。