成人では、黄色ブドウ球菌とカンジダ菌血症の予後は不良で、治療も難しいですが、Gram陰性桿菌菌血症については、抗菌薬の早期終了が検討されています。新生児(極低出生体重児)においては、その逆で、Gram陰性桿菌の菌血症の方が予後が悪かったというドイツからの報告です。
この研究では、極低出生体重児における菌血症の疫学や、菌種別の死亡率も詳細に記載されており、新生児を見る医師にとって、重要な情報がたくさん含まれた論文です。Candidaの予後が比較的良いことが意外でした。
Pathogen-specific mortality in very low birth weight infants with primary bloodstream infection.
PLoS One. 2017;12:e0180134
背景
方法
ドイツ国内の242施設で出生した、55,465名の極低出生体重児を研究対象とした。NEO-KISSという全国規模のサーベイランスシステムを用いて、原因菌が特定された金欠諸王の菌種毎の死亡率を検討した。記録された死亡リスクファクターや病院の特性により結果を調整した。
結果
4,094名の極低出生体重児が、研究期間内に菌血症を発症した。粗死亡率は5.7%であった。Cox hazad regression analysisを実施したところ、下記の微生物の死亡率が高かった。Klebsiella (HR 3.17, CI95 1.69-5.95), Enterobacter (HR 3.42, CI95 1.86-6.27), Escherichia coli (HR 3.32, CI95 1.84-6.00), Serratia (HR 3.30, CI95 1.44-7.57)が、黄色ブドウ球菌菌血症と比較して、死亡率が高くなった。Candidaの死亡率は変わらなかった。
結論