小児感染症科医のお勉強ノート

群馬県立小児医療センターで感染症を専門に診療しています。論文や病気のまとめを紹介します。

日本のマクロライド耐性マイコプラズマは減少傾向

Macrolide-Resistant Mycoplasma pneumoniae Infection, Japan, 2008-2015
Tanaka T, et al. Emerg Infect Dis. 2017;23(10):1703
 
 日本におけるマイコプラズママクロライド耐性の傾向を分析した研究です。
2012年には、全国で81.6%がマクロライド耐性でしたが、2015年には43.6%に減少しています。一方で、地域差は結構大きく、九州(27.9%)、北海道(16.7%)では耐性率は下がっていますが、中国四国(80.7%)、関東中部(72.7%)では高いままです。人口が多い地域での耐性率が高いのが気になります。
 マクロライドの使用量が減っていることが良い影響をもたらしているのかは不明ですし、そもそも2013年時点では、それほどAMRが強調されておらず、処方行動が変わったとも思えません。2010年にトスフロキサシンが小児適応を取ったことが、本文中にも記載されていますが、マクロライドの処方が、トスフロキサシンに流れていないことを祈っています。しかし、いきなりトスフロキサシンが使用されている残念症例を見ることが、しばしばあります。

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