小児感染症科医のお勉強ノート

群馬県立小児医療センターで感染症を専門に診療しています。論文や病気のまとめを紹介します。

書評:小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK 疑問や不安がすっきり!

小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK 疑問や不安がすっきり!
森戸やすみ、宮原篤 著
 
 以前、外来小児科学会のワークショップで御一緒した宮原先生の著書です。
ワクチンに関する「ド正論」を、「科学的根拠に基づいて」書いてありました。
「子供を感染症から守りたい」という熱い想いに共感し、一気読みしました。
 
印象的だった記載
1.ワクチンの副反応について
 副反応は4種類に分類する。
 ①発熱などの軽微なもの:受け入れるべき
 ②アナフィラキシー脳炎など重篤なもの:原則避けるべき
 ③因果関係のない「紛れ込み」:区別するべき
 ④様々な糸を持って作られた「フェイク」:注意すべき
 
2.すでに科学的な決着が付いていることも、一部のマスコミや団体がいかにも論争が有るかのように見せかけ、
  1:99くらいのことでも、「両論併記」して、50:50のように報道されることがある。
 
3.書籍を選ぶ時は、
 ①根拠となる文献が示されている
 ②根拠が体験談や個人のブログなどではない
 ③免疫力を高める、毒をを出す(デトックス)という言葉を好意的に使っていない
 ④著者が専門家で、同業者から支持されている
 ⑤数字を出すときには分母を入れている(5人の副作用と言っても、100人中5人と100万人中5人では意味が違う)
 
4.(ワクチンを拒否する人に対してメッセージ)確かに、感染症にかかったほうが、その感染症に対する免疫力はつくでしょう。しかし、免疫力をつけることは手段でしかなく、目的は感染症にかかって苦しまないこと、後遺症を残さないこと、死なないことなのです。
 
5.(ワクチンを拒否して、万が一お子さんの身に何かが起きた時のために)、ワクチンを接種しない決め手となった書籍、雑誌、証明書、セミナーの資料などを証拠として残しておきましょう。
 
6.最後に、ちゃんとCOI(利益相反行為)の記載がある