小児感染症科医のお勉強ノート

群馬県立小児医療センターで感染症を専門に診療しています。論文や病気のまとめを紹介します。

小児の上気道炎による咳嗽には、カルボシステインよりハチミツ製剤が有効

 


Efficacy and tolerability of a polysaccharide-resin-honey based cough syrup as compared to carbocysteine syrup for children with colds: a randomized, single-blinded, multicenter study.

Cohen HA, et al. World J Pediatr. 2017;13:27-33
 
 
2−5歳の上気道炎の小児が対象の試験です。
咳嗽が出現してから7日以内で小児科クリニックを受診した小児に、ハチミツをベースにしたシロップ(Grintuss)とカルボシステインを一重盲検にして、処方しました。
主要評価項目は、咳嗽の頻度、咳嗽の程度、咳嗽の不快感、睡眠の質(本人と親)を比較しました。
 年齢の中央値は、41.5ヶ月で両群間に差はなかった。治療開始までの咳嗽の持続期間の平均は3.14日で差はなかった。
カルボシステインと比較して、ハチミツはすべての主要評価項目においてカルボシステインより良好な結果が得られた。症状の改善までの時間も早かった。
 
結論
 ハチミツとカルボシステインは、2歳以上の小児に処方しても、安全性は高い。ハチミツは、カルボシステインよりも、早く効果が見られ、より高い効果が見込まれる。
 ハチミツ製剤が口腔咽頭の粘膜にバリアを作って、咳嗽の刺激が入りにくくしている可能性がある。
 
 
 
f:id:PedsID:20190725174829p:plain