小児感染症科医のお勉強ノート

小児感染症を専門に診療しています。論文や病気のまとめを紹介します。

月齢・症状・入院した季節などからRSウイルス感染症の可能性を計算するツールがWebで利用できる

RSVpredict: An Online Tool to Calculate the Likelihood of Respiratory Syncytial Virus Infection in Children Hospitalized With Acute Respiratory Disease.

Manuel B, et al. Pediatr Infect Dis J. 2019 Jul;38(7):678-681
 
ドイツからの報告です。RSウイルス感染症の可能性を予測する計算ツールを開発した。RSウイルス感染の可能性を上げるのは、発症から2日以上経過してからの入院、入院した月(季節)、下気道感染あり、咳嗽、ラ音あり、若年であることであった。
これらの情報を入力するとRSV感染症の確率を計算してくれます。
 
確率が低い場合には、RSVの迅速検査をやらなくてもいいかなと考える参考になるかもしれません。
しかし、ドイツでは、RSVは冬季に流行しているため、夏季にRSV感染症が起きることが想定されていません。そのため、入院した季節が、12月〜4月以外では、確率が出ません。日本も、夏季にRSVが流行するので、日本でのモデルが作成できたら面白いかもしれません。