小児感染症科医のお勉強ノート

小児感染症を専門に診療しています。論文や病気のまとめを紹介します。

2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

菊池病のリンパ節はどこが腫れる?

菊池病は、日本では日本では比較的多い病気です。発熱と頸部リンパ節腫脹が特徴的です。小児では、時々、不明熱の原因として認められます。以前、菊池病のまとめを書きましので、読んでいただけると幸いです。 pediatric-infection.info 菊池病は、典型的に…

ヒルシュスプルング病は尿路異常に注意

" data-en-clipboard="true"> ヒルシュスプルング病は、腸管の神経節の先天的な欠如により便秘や腸閉塞をきたす疾患です。多くは新生児期に診断されますが、軽症では診断が遅れることがあります。ヒルシュスプルング病の患者さんには、尿路異常が多いという…

カンジダ膿胸について

" data-en-clipboard="true"> 膿胸は、もともと治療が難しい病気ですが、カンジダによる膿胸は数も少なく、非常に難治性です。小児にはもちろん少ないので、成人のデータを調べてみました。台湾からのデータです。 " data-en-clipboard="true"> 膿胸の成立過…

CRP上昇・白血球数正常の小児発熱

小児科で発熱者の診察をしていると、通常、白血球とCRPは同時に採血します。細菌感染では両方上昇、ウイルス感染では両方正常というパターンが多いですが、乖離することがあります。 白血球数高値・CRP正常は、細菌感染の発症早期、ストレス(嘔吐など)など…

感染症科医にとってCRPはthe elephant in the room?!

CRPは、日本の臨床現場で頻用されているにも関わらず、感染症のスタンダードな教科書ではあまり触れられることはなく、触れても非常に軽い扱いをされてきました。(例:感度も特異度も高くない検査である。) 確かに、医療現場で過度に用いられ、CRP値のみで…

気道感染を起こすウイルスの迅速検査キットの感度・特異度のまとめ

先日、SARS-CoV-2の迅速抗原検査キットの感度と特異度をまとめました。他の病原体に関してはどうなのか気になって、調べてみました。インフルエンザや溶連菌は、メタアナリシスがありましたが、その他のウイルスは報告が少なかったです。 日本からの報告も多…

コロナの抗原検査の精度はどのくらい?

新型コロナウイルス感染症のパンデミックが始まり、PCR検査や抗原検査という検査が一般の方々に普及してきました。今ではドラッグストアでも購入でき、自宅で検査している人も多いと思います。 なんとなく「PCR検査が正確で、抗原検査はあまり正確ではない」…

小児の壊死性筋膜炎の特徴

" data-en-clipboard="true"> 壊死性筋膜炎は、小児では極めてまれな疾患です。そのため、まとまったデータは少なく、成人の教科書の記載が、しばしばそのまま引用されています。しかし、小児には小児の特徴があり、注意するべき点がいくつかあります。 " da…