小児感染症科医のお勉強ノート

小児感染症を専門に診療しています。論文や病気のまとめを紹介します。

2022-01-01から1年間の記事一覧

母が梅毒検査陰性なのに、児が先天梅毒になることはあるか?

" data-en-clipboard="true"> 先天梅毒を診療する上で、こんなピットフォールがあるのか!と驚いた症例報告です。(原理的には理解できるのですが、母梅毒検査陰性という情報を知ってしまったら、先天梅毒を正確に診断する自信はあまりありません…。) " dat…

サル痘ってどんな病気?

" data-en-clipboard="true"> カナダでサル痘の患者が集団発生している報告があります。医者にとっても聞き慣れない病気ですので、まとめました。 " data-en-clipboard="true"> news.yahoo.co.jp " data-en-clipboard="true"> " data-en-clipboard="true"> …

小児がん患者とCOVID-19

" data-en-clipboard="true"> 小児がん患者のCOVID-19の特徴をまとめたシステマティックレビューです。2021年6月の論文で多くの症例が、COVID-19パンデミック初期にあたります。そのため、症状の特徴や、治療内容(ヒドロキシクロロキンが多い)に関しては、…

オミクロン株は、デルタ株より重症化しにくい(小児)

" data-en-clipboard="true"> オミクロン株とデルタ株の流行期の、小児COVID-19の重症度を比較した検討です。 " data-en-clipboard="true">成人でも言われているように、小児においても、オミクロン株では重症化しにくい傾向がありました。 " data-en-clipbo…

オミクロン株に対するファイザーワクチンの効果(小児)

" data-en-clipboard="true"> " data-en-clipboard="true"> 第6波(オミクロンの流行)では、小児COVID-19患者数が増加し、重症例も増えています。一方で、小児(5-11歳)へのワクチン接種は認可されたものの、未だに接種率が低いのが現状です。 " data-en-c…

オミクロン株に感染した小児の臨床像

" data-en-clipboard="true"> 新型コロナウイルスの変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)が流行した第6波以降、COVID-19に対応する医療現場は変わってきています。テレビの報道などでも、重症化する患者が減り、重症用ベッドが足りないということは無くなり…

高張食塩水吸入後の喀痰でも、小児の肺炎の起炎菌はわからない

" data-en-clipboard="true"> 小児の肺炎の原因菌は何なのか?簡単なようで、実は難しい問いです。小児の肺炎の原因が確実に分かることは意外と少ないです。その理由は、小児で下気道痰を採取するのが難しいからです。 " data-en-clipboard="true"> 例えば、…

小児の血液培養、最適な採血量のまとめ

" data-en-clipboard="true"> " data-en-clipboard="true"> 小児の血液培養の採血量とセット数は、小児救急医療に関わる医師にとって、避けては通れない問題です。 " data-en-clipboard="true"> 小児から2セット採取ことの難しさ、採血量が多いと(特に新生…

ノロとロタの臨床症状の違い

" data-en-clipboard="true"> 最近、ノロウイルスによる胃腸炎が流行っています。新型コロナウイルス対策に、アルコールによる手指消毒が一般的になりましたが、ノロウイルスにはアルコールが効果的ではないことが影響しているのかもしれません。 " data-en-…

小児の誤嚥性肺炎の治療期間は7日間で良い

" data-en-clipboard="true"> 脳性麻痺などの重症心身障害児にとって、誤嚥性肺炎はコモンな疾患であり、入院の原因になります。自覚症状を訴えることができず、身体所見が取りにくいお子さんの誤嚥性肺炎を治療する時には、どうしても長期治療(CRP陰性化ま…

CRP/PCT比でマイコプラズマ肺炎を予測する(成人)

プロカルシトニン(PCT)とCRPネタの連投ですいません。 CRP/PCTの比を検討することで、市中肺炎の原因菌の区別ができないかという成人を対象にした研究です。CRPもPCT単独では、原因微生物については何も言えないですが、このような比較をすると興味深いです…

プロカルシトニンとCRPが乖離した時、どうする?

" data-en-clipboard="true"> CRPは、発熱など感染症を疑う小児で確認する炎症反応のバイオマーカーです。プロカルシトニン(PCT)も、同様の炎症を表すバイオマーカーですが、細菌感染症に置いてCRPより鋭敏に上昇するために感度が良い、また、最近では抗菌…

Corynebacterium菌血症のまとめ

以前に所属していた亀田総合病院の感染症科から、素晴らしい論文が出ました。 Corynebacterium spp.が血液培養から検出された患者の後方視的検討です。Corynebacterium spp.は、真の菌血症で重症化することから、コンタミのこともあります。「血培陽性」とな…

細菌性髄膜炎と大泉門膨隆はあまり関係がない

小児科医1年目の時、超ベテランの小児科の先生から、「突発性発疹は、大泉門が膨隆するんだよ」と教わり、小児科の臨床って面白いと思った経験があります。 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 最近、めっきり少なくなった細菌性髄膜炎ですが、大泉門膨隆が重要な所見…

MIS-C(小児COVID-19関連多系統炎症性症候群)の中期予後

" data-en-clipboard="true"> 国内でのオミクロン株の流行により、2022年3月現在、小児のCOVID-19患者が増加しています。それに伴い、重症例も増加し、小児COVID-19関連多系統炎症性症候群(MIS-C)の症例も増加しています。 " data-en-clipboard="true"> MI…

カテ先からカンジダが検出された時、治療するべきか?

" data-en-clipboard="true"> カテーテル感染を疑い、カテーテルを抜去した時、血液培養が陰性ですが、カテ先だけ陽性になることがあります。黄色ブドウ球菌や緑膿菌では、その後に、菌血症を発症することが一定数あり、(菌血症が無くても)治療が進められ…

小児神経筋疾患とCOVID-19

" data-en-clipboard="true"> 脳性麻痺や重症心身障害児のような、神経筋疾患を持つお子さんは、ちょっとした風邪をきっかけに呼吸状態が悪化することがあり、小児科診療をしているうえで、とても慎重に評価・治療することが必要です。 " data-en-clipboard=…

小児固形臓器移植後のCOVID-19

" data-en-clipboard="true"> 免疫不全状態の患者さんにとって、COVID-19は重症化しやすいことが知られています。成人の固形臓器移植後の患者さんが、COVID-19を発症すると死亡率が上昇するという報告は多くあります。小児の固形臓器移植後のCOVID-19につい…

夢のRSウイルス治療薬の開発なるか? EDP-938

" data-en-clipboard="true"> NEJMから、RSウイルス業界の常識を変える嬉しい論文が出ました!! " data-en-clipboard="true"> 皆様の記憶にあるかと思いますが、RSウイルスが、2021年は大流行しました。しかも、夏に。本来は、冬に流行するのですが、現在は…

小児多系統炎症性症候群(MIS-C)COVID-19と神経学的症状

" data-en-clipboard="true"> 新型コロナウイルスに感染後に、様々な神経学的症状を呈することが報告されています。味覚障害や嗅覚障害は有名ですが、脳症、ギラン・バレー症候群、脳梗塞等です。小児の新型コロナウイルス感染に関わる神経学的症状をまとめ…

小児多系統炎症性疾患(MIS−C)には、免疫グロブリン+ステロイドが有効

" data-en-clipboard="true"> 連日、MIS-Cの論文で恐縮です。 " data-en-clipboard="true"> MIS-Cは、COVID-19罹患後に発症する川崎病と似た症状を呈する疾患ですが、治療も川崎病に準じて、行われます(ガンマグロブリン大量投与IVIG単独、またはステロイド…

小児多系統炎症性症候群(MIS-C)の臨床的特徴

" data-en-clipboard="true"> 新型コロナウイルス感染症に罹患した後、2−6週間で多臓器系統にわたり強い炎症を起こす病態があります。小児多系統炎症性症候群(MIS-C)と呼びます。川崎病と症状が似ており、川崎病に準じた治療が行われます。 " data-en-clipb…

神経疾患と緑膿菌〜叩くべきか叩かざるべきか〜

以前にも取り上げましたが、脳性麻痺など重度の神経障害があるお子さんの緑膿菌の肺炎は、重症化する事があり、恐ろしい疾患です。一方、このようなお子さんは、気道にもともと緑膿菌を保菌していることが多く、気道感染=緑膿菌が原因とは限りません。 pedi…

学校再開のみでコロナの流行は拡大しない

" data-en-clipboard="true"> オミクロンの流行が拡大に伴い、学校・幼稚園再開による小児の感染例が増加しています。 学校再開が、Covid-19の流行拡大の原因になるのではという懸念があります。しかし、イスラエルで学校再開がCovid-19拡大に与えた影響をま…

小児でもキノロンの末梢神経障害に注意

" data-en-clipboard="true"> キノロン系抗菌薬は、小児には基本的には使用しない薬剤です。しかし、どうしてもキノロンを使わざるを得ない状況もまれにはあります。また、国内ではトスフロキサシンという経口キノロンがマイコプラズマ肺炎などによく使われ…

小児の不明熱で押さえておきたい疾患「菊池病」

" data-en-clipboard="true"> 菊池病は、若い女性に多い疾患で、亜急性壊死性リンパ節炎とも呼ばれています。不明熱の原因にもなりますが、小児科領域においては、あまり認知度が高くありません。(おそらく、リンパ節生検の敷居が高いためだと思われます。…

ファイザーワクチン5-11歳での効果と安全性の報告

" data-en-clipboard="true">すでに日本では承認されましたが、ファイザーワクチンを5-11歳の小児に接種した場合の、安全性・効果についての報告です。10μgと少ない量でも十分な反応が得られるようです。 " data-en-clipboard="true"> Evaluation of the BNT…

小児急性骨髄炎ガイドライン

" data-en-clipboard="true"> 昨年、小児急性骨髄炎ガイドラインが出ましたので、推奨をまとめました。 " data-en-clipboard="true">びっくりするような推奨は、無さそうで、基本に忠実な診療が大切な病気かと思います。 " data-en-clipboard="true"> " data…