小児感染症科医のお勉強ノート

小児感染症を専門に診療しています。論文や病気のまとめを紹介します。

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

胆道閉鎖症術後の胆管炎の特徴

小児では、胆管炎はまれな疾患です。しかし、例外として、胆道閉鎖症術後(葛西手術の術後)と肝移植後は、胆管炎のリスクが高くなります。 また、胆道閉鎖症術後では、胆管炎を繰り返すと、肝移植が必要となるリスクが増加するため、なんとか、胆管炎を避け…

ファイザーワクチンの小児 (12−15歳)への効果と安全性

新型コロナウイルスに感染した小児が重症化することは極めてまれです。MIS-Cなど重症化例が注目されますが、基本的に、小児のコロナは風邪です。高齢者へのワクチン接種が進みましたが、集団免疫を獲得し、新型コロナウイルスの制圧するには、人口のなるべく…

乳児の項部硬直(若手小児科医必見!)

" data-en-clipboard="true"> 現在、日本では、肺炎球菌とHibワクチンが定期接種化され、細菌性髄膜炎が劇的に減少しました。その事自体は、良いことですが、若手小児科医の中には、細菌性髄膜炎を経験することなく、小児科専門医となることもあります。ビデ…

カバ咬傷は、もはや動物咬傷のレベルではない

以前、亀田総合病院の「咬傷・外傷後の抗菌薬」の改定作業を行いました。 (臨床ガイドライン | 亀田総合病院 の中にあります) 日本だと、イヌ・ネコ・ヒトの咬傷が多いのですが、世界は広いです。 カバは、可愛らしい見た目によらず、獰猛な動物で、人が襲…

妊娠中の新型コロナワクチンについて

妊娠中のため、新型コロナワクチン接種を躊躇されている方も多くいらっしゃると思います。 厚生労働省からは、下記のような情報提供があります。妊娠中もワクチンの接種を勧めています。これは、妊娠後期にCOVID-19になると重症化するリスクが高く、早産や妊…

新型コロナウイルスワクチンと授乳について

" data-en-clipboard="true"> 新型コロナウイルスワクチン(ファイザーとモデルナ)は、mRNAワクチンという新しい仕組みのワクチンで、絶大な効果をもたらします。一方、新技術であるがゆえ、妊娠中や授乳中の女性が、接種に不安を感じられるのも、当然だと…

日本の急性脳炎・脳症の予後因子

" data-en-clipboard="true"> 日本のDPCデータを使った小児の急性脳炎・脳症の予後不良因子の検討です。 " data-en-clipboard="true">乳児のインフルエンザ脳症というのが悪いパターンだと思っていましたが、むしろインフルエンザウイルスと単純ヘルペスウイ…