小児感染症科医のお勉強ノート

小児感染症を専門に診療しています。論文や病気のまとめを紹介します。

2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

期待が持てるデング熱ワクチン

" data-en-clipboard="true"> デング熱は、年間3億9000万人が感染し、50万人が入院する、熱帯地域に多い疾患です。デングウイルスが原因ですが、蚊が媒介して、人に感染します。デングウイルスは4つの血清型(DEN-1〜DENV-4)があり、異なる血清型に複数回感…

下気道症状がない肺炎(occult pneumonia)について

" data-en-clipboard="true"> 明らかな下気道症状がない肺炎を、occult pneumoniaと言います。不明熱と紹介されて、肺炎が見つかることもあります。このoccult penumoniaをどのような状況で疑うのか、なかなか難しいですが、遷延する発熱(特に5日以上)、咳…

腸間膜リンパ節炎のマネージメント

" data-en-clipboard="true"> 小児科外来で、虫垂炎らしい右下腹部痛が来た時に、エコーで「虫垂腫大はありません。腸間膜リンパ節の腫大を認めます。」というレポートが返ってきて、少しがっかり(?)することがあります。診断は、「腸間膜リンパ節炎」と…

細菌性骨髄炎と非感染性骨髄炎

小児の細菌性骨髄炎(BO)は、黄色ブドウ球菌が多く、四肢の長管骨に多いことが特徴的です。成人では、椎体炎が多いことと対照的です。 急性の経過で、血液培養などから原因菌がすんなり判明するケースは問題ないのですが、緩徐な経過で発症するケースもあり…

小児の肺炎の治療期間は何日間?!

" data-en-clipboard="true"> 「小児の市中肺炎を何日間治療するか?」とてもシンプルですが、実は、明確な答えがありませんでした。CRP陰性化ではもちろんありません。 " data-en-clipboard="true"> " data-en-clipboard="true"> これまでに発表された中で…

小児穿孔性虫垂炎で治療10日間・内服へ変更可能

" data-en-clipboard="true"> 小児の虫垂炎は、低年齢ほど穿孔するリスクが高い疾患です。今は、急いで手術をするのではなく、まずは抗菌薬で炎症を沈静化させてから、時間をあけて虫垂切除術を行います (interval appendectomy)。 " data-en-clipboard="tru…

安定した細気管支炎はSpO2連続モニター不要

" data-en-clipboard="true"> 冬の小児科病棟と言えば、RSウイルスによる細気管支炎の子がたくさん入院しているものでした。しかし、RSウイルスの流行は、いつしか夏に移動し、通年で流行するようになり、「日本も亜熱帯になったなあ」と、小児科医に地球温…

食物蛋白誘発性腸炎(FPIES)と感染症

長い名前ですが、新生児-乳児食物蛋白誘発性腸炎(FPIES)という病気があります。FPIESは、乳幼児期に発症する食物アレルギーの1種です。典型的には、原因食物の摂取から1-4時間後に、大量に嘔吐して、顔面蒼白、ぐったり、血圧低下、下痢などを伴います。牛…